最近はテストステロン(主要な男性ホルモン)と認知症の関係も注目されている。テストステロンには「アミロイドβの蓄積を抑える」作用があるのだ(Brain Res Rev.2008 March;57(2):444-53)。

本来、男性はアルツハイマー病になりにくい

 国内では東京大学大学院医学系研究科加齢医学講座の秋下雅弘教授らが、テストステロン値の低い認知症の男性たちに6カ月間テストステロンを与え、認知力が改善したことを確認している。認知症の男性24人を2グループに分け、一方にだけ1日40mgのテストステロンをのませた。テストステロンをのんだ人たちは前出「改訂 長谷川式簡易知能評価スケール」の点数が高くなっていた(グラフ参照)。

 もともとアルツハイマー病は女性のほうがなりやすく、三村教授によると「患者の男女比は女性が倍近く多い」という。男性がなりにくいのは、もしかするとテストステロンのお蔭なのかもしれない。

 この連載の第1回で、テストステロン値が低い人は太りやすく、糖尿病にもなりやすいことを紹介した。BMI(身長と体重の比率から肥満度を見た体格指数)の増加に応じてテストステロン値が下がることもわかっている(Diabetes Care.2010 Jun;33(6):1186-92)。テストステロンと糖尿病、アルツハイマー病と糖尿病がそれぞれつながっていれば、テストステロンとアルツハイマー病に関係があっても納得できる。

 食事、運動、睡眠といった生活習慣によって、テストステロン値は大きく変動する。糖尿病やアルツハイマー病を防ぐためにも、テストステロン値をキープする健康的な生活を心がけよう!

(次回に続く)

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