では、ドライアイを予防・改善するには、どんな生活を心がければいいのだろう? 坪田教授に聞いたところ、次の5つの対策を挙げていただいた。
腹八分目、まばたき、運動を心がけて
●対策1 食事は腹八分目に
ネズミを使った実験で、脂肪の多い食事を与えてメタボにすると涙の量が減り、カロリーを35%カットすると逆に涙の量が増えてドライアイが改善された(Biochem Biophys Res Commun. 2010 Jul 9;397(4):724-8)。食べすぎはドライアイを進める。腹八分目に抑えよう。
●対策2 サプリメントの利用
ブルーベリーに含まれているアントシアニンをはじめ、アスタキサンチン、ルテイン、レスベラトロールなどの栄養素をサプリメントでとるのもいい。「これら目にいいと言われる栄養素は、おおむねドライアイにも効果がある」と坪田教授は話す。
●対策3 パソコン作業中は意識してまばたきを
パソコンの画面を凝視しながら作業を続けていると、どうしてもまばたきの回数が減り、涙が蒸発しやすくなる。パソコン作業中はまばたきを意識しよう。また、画面を目より下にして、伏し目がちに見るようにすると目が乾きにくい。
●対策4 体を動かす
運動もいい。1日30分の有酸素運動をさせたネズミは涙の量が増えた。パソコン作業や読書に限らず、「長時間座っているだけでも、交感神経が優位になって涙の量が減る」と坪田教授。オフィスでもときどきは席を立ち、軽く体を動かすようにしよう。
●対策5 眼科に行く
涙の分泌量を増やすジクアス(ジクアホソルナトリウム)やムコスタ(レバミピド)など、今は優れた点眼薬も出ている。ただし、これらは処方せんが必要で、薬局では買えない。以上の対策で症状が改善しなければ、迷わず眼科に行ってほしい。
「太っているとなりやすいし、運動不足だとなりやすい。メタボはエイジング(老化)を進めることから考えても、ドライアイ対策はアンチエイジングと密接につながっている」と坪田教授は指摘する。老眼を防ぐのは難しいが、ドライアイは予防可能。アンチエイジングな生活は目の若さを保つ上でも重要なのだ。

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