同じオフィス内に子供がいるため、隙間時間で子供の様子を見に行くこともできる。少しの時間で気分転換をするにはもってこいだ(あまり子供のところにばかり行っては職場で問題視されるだろうが)。

 WithKidsの空間は200㎡で、広々とした空間に見える。定員は19人だが、オープンしたばかりのため、社員で月極契約をしているのはまだ3人。月額利用料金は3万円で、月額5~10万円はするという都内の認可外保育園に比べると安いと言える。認可保育園は収入により保育料が変わるため比較は難しいが、月額3万円の保育料は利用しやすい部類に入る。子供の年齢による料金の差はない。一時利用も可能で、料金は1回2000円。昼食や夕食はもちろん、ミルク代やオムツ代も料金に含まれており、追加の支払いは不要だ。基本的には前日までにイントラネットで予約するシステムだが、空きがあれば当日でも利用可能だという。

同僚や部下も子供と触れ合える

 当日、WithKidsには3人の子供が預けられていた。その中で、1人の男の子を囲うように、4人の大人があやしている。聞けば、男の子のお母さんと、その部下だという。ランチタイムに上司の子供を一緒にあやして過ごす理由を聞くと、「自分の将来をイメージしやすい。子供がいるというのがどういう生活になるのか、それを体感できる」と満足気に答えてくれた。

親だけでなく、同僚や部下も子供と触れ合える

 グループ会社を含めてこのビルでワークスは約3000人の社員を抱えている。IT企業ということもあり、平均年齢は20代後半と若い世代が多い。ワークス単体では女性社員は4割弱と、半数近い割合を占める。女性が働きやすい環境を作らなければ、会社の成長も止まってしまうだろう。未婚の男女、あるいは結婚したばかりの若い社員に対して、社内託児所は自分が子供を育てる姿や、子育てをしながらも働ける姿をイメージできるという副産物をもたらしている。

 預けた子供の祖父母など、親戚が入室可能というのもWithKidsの特徴の1つ。「職場の横なので、自分の息子や娘がどういった環境で働いているのかもわかりやすい。親世代に対して、子育てしながら女性が働くということへの理解にもつながると考える」(プロモーショングループ広報担当の金田裕美さん)

 便利な社内託児所だが、気になる点もある。それが通勤だ。クルマで通勤できる環境があれば利用もしやすいが、都心では難しい。多くは電車を使った通勤になる。だが、その混雑ぶりは激しく、とても子供を連れて乗れるようなものではない。従来から混雑する溜池山王駅はもちろん、六本木一丁目駅も新たに駅直結のオフィスビルが完成し、通勤者が急増している。こうした課題を、ワークスはフレックス制の活用でカバーした。コアタイム以外は勤務時間を自由に変えられるもので、ラッシュ時を外して通勤できる。

 WithKidsの利用の仕方は様々だ。例えば、一時利用を申請して子供を朝から預け、午後は休みを取って子供を連れて遊びに行くという使い方もできる。社員の多様な働き方、自由な家族との過ごし方に有効活用できる仕組みになっている。