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カルロス・ゴーン前日産会長は、17年以上トップの座にいた (AFP/アフロ)

 CEO(最高経営責任者)は、いつ交代したらよいのだろう。これは、取締役全員がCEOの実績を評価する際に毎年自問する、もしくは少なくとも自問しなければならない問いである。

 CEOの実績が本当に悪い場合に解任されるということは皆分かっているが、そうした思い切った処置を十分に正当化できるほど、CEOの実績が悪くない場合がほとんどだ。その上、新しいCEOがより優れていることを保証するものなどない。従って、今いるCEOをそのまま続投させることが、デフォルト選択になりがちになる。

 誰が良いCEOで誰が悪いCEOかを特定できれば、CEO交代の決定はもっと簡単になるだろう。しかし実際問題として、これは非常に難しい。私は共著者との最近の研究で、この問題を取り上げている。その中で、最先端の方法論と大勢のCEOをサンプリングして、良いCEOと悪いCEOを特定した。

18年以上は長すぎ、65歳以上は高齢

 すると、CEOの質を予測するすべての可能性の内、最も強力な予測力をもつ3つの要素が浮かび上がってきた。その3つの要素とは、CEOの年齢、在職期間、そして創業者の地位だ。私たちの研究では、年齢が58歳未満のCEOを若年CEO、65歳を超えるCEOを高齢CEOと定義している。

 また、在職期間8年未満を短期、18年を超える場合を在職期間長期のCEOと定義した(私たちのサンプルでは、年齢では58歳と65歳、在職期間では8年と18年という区切りが、年齢と在職期間における3つの区切り点になっている) 。

 若年CEOは平均して良い傾向にあることがわかる。彼らは会社の市場価値の4%以上を占めている。これは、彼らが退任すると企業価値が平均4%下がることを意味する。一方、高齢で在職期間の長いCEOは芳しくない傾向にある。

 彼らは企業価値を3%以上、下げている。すなわち、彼らが退任すればその企業価値は3%もアップするというわけだ。

高齢で在職期間が長いと5%以上企業価値下げる

 創業者兼CEOの場合、年齢と在職期間が企業価値に与える影響は更に強まる。若年の創業者は企業価値の9%近くを占めるのに対して、高齢で在職期間の長い創業者兼CEOは5%以上、下げている。この違いには目を見張るものがある。このような、年齢と在職期間が企業価値に与える、異質でありながら強固な影響を研究し論文化したのは、筆者らが初めてである。