緊迫感のない現場

ジャパンディスプレイ(JDI)が開発中のスマートフォン向けパネル。狭額縁の液晶パネルをつなげることで、折り畳み型のスマホが実現できる(写真:JDI提供)
ジャパンディスプレイ(JDI)が開発中のスマートフォン向けパネル。狭額縁の液晶パネルをつなげることで、折り畳み型のスマホが実現できる(写真:JDI提供)

 21日の会見でJDIの本間会長は「今回の資金調達を機に財務基盤を安定させ、普通の会社にしていきたい」と力を込めたが、期待通りに全てが進む保障はない。液晶にせよ有機ELにせよ、ディスプレーに携わる限り莫大な投資がかかり続ける。液晶だけでなく蒸着と印刷方式の有機ELも手がけるとなれば、コストはさらに膨らむ。さらに、蒸着方式の有機ELパネルの開発は難航しており、JOLEDが手がける印刷方式の有機ELパネルの需要も現時点では未知数だ。1年前から「脱スマホ依存」を掲げているが、こちらも期待通りに進んでいないように見える。

 現在の産業構造的にパネル供給側が主導権を握ることは難しく、今後もアップルなどの大口顧客の意向に振り回され大幅な戦略変更をせざるを得ない状態が続く。2016年が激動だったように、2017年もディスプレー産業がどの方向へ進んでいくか見通しにくい。「次はない」状態の日の丸ディスプレー連合の成否が明らかとなるのに、そう時間はかからないはず。2017年もまだ予断を許さない状態が続きそうだ。