コンビニは店舗転換を優先し、 商品・効率・機能の改革に遅れ

改革を進める上で課題はありませんか。

高柳:一番の問題は「変えることの怖さ」だと思います。既にやっていることを変えるのは怖いんですよ。変えたらうまくいくという保証がないと、なかなか動けない。逆にうまくいけば一気に浸透する。だから結果が大事なんです。今度の6店舗で本当に売り上げが2倍になるかはわかりませんが、お客さんが増えることが目に見えれば、一気に変えていくことができると期待しています。なにより、「論より証拠」ですよね。

コンビニ事業についてはいかがでしょうか。

高柳:GMS事業はドンキとの提携で道筋をつけましたが、むしろ問題はコンビニ事業です。ファミリーマートには、商品、効率、機能の3つを強化してほしいと言っています。ただ、サークルKサンクスと統合したことで、まずは店舗の転換を優先してきました。それは、どちらかというと構造改革に近い。これは進んでいるのですが、さっき言った商品や効率という部分が、まだこれからです。現時点では、店舗転換にエネルギーを使っているので、他がちょっと思うように進んでない状態です。

 今年の最優先テーマは、統合の完遂でした。まずは看板をきちんと替えていくことです。この1年、現場はそれに忙殺されていたところがありました。だからといって、何もしていなかったわけではないけれども、商品、効率、機能という面になかなか手が回らなかったのは事実です。ですので、来年は今年以上に、今言った3つの強化にエネルギーを使っていくということになると思います。

具体的に何を強化していきますか。

高柳:商品の面では中食の改革を引き続きやっていきます。それから効率の改善。例えば電力消費です。今ファミリーマートとユニーで年間500億円の電力使用料がかかっています。ドンキが100億円ぐらいあるので、合わせると600億円あるんです。現状、この部分で効率化が全然できていません。

 あとは原材料の仕入れです。伊藤忠商事グループとのシナジーを生かすと言って、それなりにやってきていますが、まだ手の着いてないところがあります。例えば、包材だったら原料の調達から最終の製造、在庫までの一貫した管理の仕組みで、まだ無駄が多い。

 伊藤忠グループとの関係についても、少し緊張感がないんですよ。ある種のなれ合いのようなものがあって。お互いによくないですよね。この前も、ある商品を伊藤忠経由で仕入れたのですが、ここの仕入れがすごく甘いということが分かりました。伊藤忠から見るとファミリーマートはグループ会社だという甘えがあり、悪い条件を出せば切られるという意識が弱い。

高柳さんも、上田準二・前社長も伊藤忠出身者で、伊藤忠は4割近くを出資する大株主でもあります。そうした関係で、本当の緊張感を出せるのでしょうか。

高柳:日販(1店舗当たりの1日の売上高)では、我々はセブンさんもローソンさんも、まだ抜けていません。その中で、甘いことは言っていられないですよね。

 緊張感は出せると思いますよ。実際、最近はあれこれこちらが言うものですから、伊藤忠に嫌がられていますよ。本当にそうですよ。でも、それをやらないといけないんです。結局、我々がダメになったら、大株主である伊藤忠も困るわけですから。

 我々が強くなるから、伊藤忠もよくなるのです。そこを間違えると、いつまでたっても我々はよくならないと、本気で思っています。今は伊藤忠の皆さんに、我々が強くなってからしっかり還元しますから、今はちょっとおとなしくしていてください、協力してくださいとお願いしているのです。

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