米下院は12月20日、約30年ぶりの大規模な税制改革法案を可決した。税制改革法案の可決を喜ぶ米下院のポール・ライアン議長(中央右)と握手をするトランプ大統領 (写真:AP/アフロ)

米税制改革法案が成立へ、減税規模は約170兆円

 トランプ政権と共和党にとって、さしずめ逆転ホームランといったところだろうか。

 12月20日、米下院は税制改革法案を採決、賛成多数で可決した。米上院も同日未明に同法案を可決しており、あとはトランプ大統領の署名を待つばかり。1986年のレーガン政権以来、およそ30年ぶりの大規模な税制改革の実現は確実な情勢だ。

 全体の減税規模は10年で1兆5000億ドル(約170兆円)と2001年の「ブッシュ減税」を上回る。35%だった連邦法人税は21%と日米欧の主要先進国で最低水準になる見込みだ。2026年までの時限措置だが、個人所得税も税率の引き下げが実現する。

海外子会社からの配当は非課税に

 また、米国は全世界課税方式を採用しており、海外子会社の所得を配当として米国に還流させる際に課税対象になっていたが、全世界所得課税方式を廃止、国外の源泉所得に課税しないテリトリアル課税に移行することも決めた。

 「米国へのクリスマスプレゼント」。税制関連法案の年内成立に強い意欲を示していたトランプ大統領。大統領選で公約に掲げた法人税率15%はさすがに無理だったが、大幅な法人税引き下げという公約は果たした。

 今回の税制改革の実現はトランプ大統領にとって極めて大きな政治的勝利だ。 

 最初に着手したオバマケア(米医療保険制度改革法)の撤廃は身内の共和党の分裂によって頓挫した。メキシコ国境に壁を作るという公約も、壁の試作品こそ募集したが、効果に疑問符がつく上に財政悪化につながる支出に共和党は否定的だ。もう一つの公約である1兆ドルのインフラ投資も実現のメドは全く立っていない。