データ争奪戦の勝者は誰だ

 前述した通り、トヨタは米ウーバーテクノロジーズと、独VWはイスラエルのゲットと、米GMは米リフトと提携している。いずれもライドシェア大手だ。

 これらの提携には、2つの理由があるとみられる。1つは自動運転車が、自家用車ではなくライドシェアなどのサービスで早期に実現しそうなこと。自動運転を実現するためのセンサーやソフトウェアを実装するには最低でも1台数十万円のコストアップになるとみられており、商用車ならそのコストアップに対応できるとみる向きは多い。

 もう一つは「データ争奪戦」だ。データの取得量は、実験などに使う車両の台数と、1台1台の車両が走った時間の掛け算で決まる。ライドシェアが有利なのは、1日に走る時間が自家用車に比べて圧倒的に長いこと。しかも、サービスを続けながらデータを取ることができる。

 ホンダもライドシェア大手のグラブ(シンガポール)との2輪車シェアリングについての協業を検討している。ホンダの強みは2輪の高い知名度と市場での高いシェア。2輪でデータをかき集められるのはホンダならではの強みになり得る。

 グラブにはソフトバンクが出資している。ホンダはソフトバンクとAI分野で協業しており、勢力図が徐々にはっきりしてきたとも言えそうだ。

 自動車業界は、従来の合従連衡から、異業種を巻き込んだアライアンス合戦の時代に突入した。ホンダとグーグルの提携検討は、他の陣営にも影響を与えるだろう。完全自動運転車の登場を前提とした提携合戦は、まだまだ終わりそうにない。