ホンダがグーグルから得るものは?

 ホンダがウェイモと提携するメリットは明白だ。自動運転車の開発フェーズは、センサーなどのハードウェア領域から、実験車両を走らせて取得したデータの解析などのソフトウェア領域に移りつつある。「データを集めた者勝ち」の競争軸が生まれているとも言える。

 グーグルは既に米国で320万km以上の公道テストを実施済み。それらのデータを手に入れられれば、技術開発で優位に立つことができる。ただし、提携に向けた覚書(MOU)では、ウェイモに引き継がれたデータをホンダと共有するかどうかは決まっていない。

 FCAとグーグルの提携は、ともすればFCAが車両を提供するだけにとどまっているようにも見える。ホンダとの提携が、データやアルゴリズムなどのソフトウェア領域まで踏み込んだものになるかどうかに焦点が移る。

 ホンダは提携の検討開始に際し、「従来から行っている自動運転技術に加え、完全自動運転に領域を広げ、異なる技術アプローチを探求していく」とコメントした。

 ホンダが「完全」自動運転に言及するのは初めて。自動運転技術が実際のクルマに次々に搭載されるなか、ホンダはあくまで「2020年ごろに高速道路での自動運転実用化」という立場を崩していなかった。

 自動車メーカーが技術を積み上げながらレベルを徐々に上げていく方法を採っているのに対し、グーグルなどのIT勢は一気に完全自動運転車を開発する方法で攻勢をかけている。ホンダはその両方のアプローチによって、「事故ゼロ社会」の早期実現を目論む。

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