ソフトバンクグループ(SBG)の通信子会社ソフトバンク(SB)が19日、東証1部に上場した。初値は1463円で公開価格(1500円)を下回り、19日終値も1282円と公開価格を15%も下回った。波乱の船出は何を映すのか。携帯電話料金の値下げやサウジアラビアリスクをはじめとする、今後の「成長」に対する投資家の不安要素や疑念がぬぐい切れなかったことに尽きる。

(写真:AFP/アフロ)
(写真:AFP/アフロ)

 SBの宮内謙社長は19日の記者会見の冒頭で、6日発生した大規模通信障害について「お客様に多大なご迷惑をおかけし深くお詫びする」と陳謝した。そのうえで今後の成長戦略を巡っては「通信事業は今後急速に大きくなるものではないが、着実に伸ばしていける。さらに(親会社の)ソフトバンクグループの投資先と連携した新事業を追加することで、これからも大きく成長させることができる」と述べた。

大手証券「申し込み辞退も多数」

 配当利回り5%が魅力のSB株だが、足元では逆風材料が続く。根っこにある成長への「影」の部分だけでなく、通信障害や中国製品排除の問題なども投資家の慎重な心理に追い打ちをかけたようだ。19日の取引を巡っては、大手証券の営業マンは「申し込みを辞退する顧客もそれなりにいた」と明かす。別の関係者によれば、売り出し額に対する需要は2倍弱。過去の大型上場と比べても低い水準だったという。

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