富士通の田中達也社長は12月18日、記者団と懇談し、10月に提携したスウェーデンの通信機器大手、エリクソンと協力して次世代無線通信規格「5G」向け基地局を受注することに意欲を示した。「エリクソンは無線やネットワークの制御に強い。一方、富士通はデータの伝送や情報システムとの連携を強みとする」とし、両社の長所を組み合わせて世界市場を開拓する。

世界の基地局市場は5Gにけん引され、5年後に5兆円を超えると富士キメラ総研は予想する。本格化する5G関連の受注合戦に備え、NECが10月に韓国サムスン電子と提携するなど、メーカー同士が連携して足りない技術を補完する動きが加速している。
富士通やNECなど日本メーカーにとっては、日米英など西側諸国が中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)を5G関連の調達から締め出す動きが追い風となっている。富士通の田中社長は「信頼性の高いネットワークを提供する」とだけ語り、ファーウェイ排除の影響について明言を避けた。
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