ソフトウエア化が進むと、これまでのダイソンのビジネスモデルが変わる可能性はありますか?

コンツ:興味深い質問ですね。今のところ、私も答えを持ち合わせていません。ユーザーはメカニカルな満足度だけでなく、データやアプリを通じた利用体験も価値だと考えるようになっているのは確かです。

 先に述べたように、ソフトの比重が高まる中で、変化を迫られる可能性はあるでしょう。ただし、私は楽観しています。結局、ダイソンが考えるべきはオーナー(顧客)の満足度を高めることに尽きます。それがハードなのか、ソフトなのかは、手段に過ぎません。

政府と連携して教育機関を設立

話は変わりますが、英国が国民投票でEU(欧州連合)からの離脱を決めました。英国企業として、この決断の影響はありますか?

コンツ:正直に言って、まったくないですね。我々は既に72カ国で展開するグローバル企業です。英国の選択は、EUとの貿易関係に影響を与えることになります。しかしEU市場は我々にとって、数ある市場の一つに過ぎません。収益の分散が進んでいます。EU市場より、むしろアジアでの売り上げが伸びていますし。

 ただし、英国という国の立場に立てば、これをチャンスにしていかなくてはならないでしょう。

ダイソン氏も離脱に賛成していました。

コンツ:英国として、競争力をより高めていく必要があるでしょうね。英国企業として我々も協力は惜しみません。

 例えば、人材育成は今後英国にとって重要な課題になるでしょう。この課題を解決する方法の1つとして、ジェームズが運営する基金を使って教育機関を創設すると11月に決めました。

 生徒は、学費無料で工学エンジニアリングを修得できます。その教育課程の中で、ダイソンは学生をインターンのような形で学生を受け入れ、彼らの技術力向上を支援します。人材とテクノロジーに向けた英国の投資を象徴するプロジェクトになるでしょう。いずれにしても、私自身はこれからの英国の展開を楽しみにしていますよ。