医療サイト「再開できないかもしれない」

DeNAは情報まとめサイトを成長分野として位置づけていた。今後どうなるか。

守安:ターゲットにあった情報を届けるメディアに対するユーザーのニーズは高い。我々が適切な体制で適切な情報を届けることができれば、事業として成立すると考えている。ただ、医療関連の記事は非常に取り扱いが難しい。再開のハードルは高い。もしかしたら再開できないかもしれない。

引用ができなくなり、真面目にオリジナルのコンテンツを作るとなると、今後はコストがかかる。DeNAにとってもおいしい事業ではなくなる。もうからなくなっても、情報まとめサイト事業は続けるか。

守安:これまでは基本的に広告収入が収入のメーンだった。コンテンツ制作にコストをかけた場合、ビジネスモデルとして成り立つか。まさに我々が考え抜くことが必要。トライ、挑戦はしていく。結果としてビジネスとして成り立たないということになるかもしれないが、考えていきたい。

撤退の可能性はあるのか。

守安:営利企業なので、未来永劫利益を生む可能性が低い場合には、メディア事業だけではなく、いろんな事業から撤退するのは必要な判断。

医学的な見地から記事を書くのは難しい。

南場:ウェルクのような状況は許されない。しっかりコストをかけて良質な記事を配信するのでも、ユーザー数が増えれば、広告モデルだけで成立すると思う。ただそれだけの規模のユーザー数を得られるかは考える必要がある。個人の健康状態に応じてピンポイントに情報提供するのは一案かもしれない。

守安:ビジネスモデルとして完全に有料登録しないとだめというのであればビジネスとして成立するのは難しいと思う。広告を中心としながら、一部コンテンツとか機能を有料にする組みあわせであれば、成り立つというふうに考えている。ただ、その監修等があると、それがビジネスモデルとしてコスト面含めて成り立つのかについては現時点ではわからない。

DeNAにとって、ヘルスケア情報を提供するサイトはウェルクが最初ではない。かつて「メドエッジ」というメディアをつくった。こちらはかなりコストをかけたメディアで、大学病院の医者も読むようなコンテンツだったはず。収益性が悪く閉鎖したとの認識だが、当時のような思いはウェルクにはなかったのか。

南場:メドエッジでは難しい学術論文を、一般の患者家族や健康に関心あるひとに、わかりやすく届けるということを目標にしてきた。医療ライターや医療関連の編集者がついていた。収益性が悪くなったというより、ユーザー数が伸びなかった。事業として企業が運営するからには、永続性のあるものではなくてはいけないということで模索していた。専門的な情報を私達のような素人に届けることを、ビジネスとして続けられる解を見つけられなかった。現時点でも見つかっていない。

社長が引き続き先頭に立つのか。辞任の考えは。

守安:非常に大きな問題を起こしてしまった。問題をきちんと納得していただける形で解決し、新たなDeNAをつくっていくのが私の使命・責務。先頭にたって解決していきたい。

責任を果たした時点でお辞めになるのか。

守安:やめるつもりはない。信頼を回復して、企業として成長させていきたい。

社会的な責任、大きくなっている

DeNAは情報まとめサイト以外にも、遺伝子検査や自動運転など、命にかかわる事業を持つ。今後どんな影響があるか。

守安:他事業もそうだが、会社全体の信頼性が揺らいでいる。きっちり対応し、もう一度世間のみなさまに必要としてもらえる企業に変わる必要がある。

他企業との提携について、解消の動きはあるか。

守安:いろんな企業とコラボの話をしている。全ては把握できていないが、当然「きちっとやってくれ」とお叱りを受けている。一方で「こういう状況のなかでこそ実力が試される」とか「乗り切ってくれ」など励ましも頂いている。提携解消などの動きは出ていないと理解してもらっていい。

DeNAはプロ野球球団を持つなど、外部の信用や世間からの期待は大きい。

南場:ファンの方からのご心配については状況を正しく把握していないが、グループ全体が信用を失ってしまったという事実がある。全体として努力して、事業領域にかかわらず、信頼回復に向けて頑張りたい。

守安:「永久ベンチャー」を標榜していることもあり、新しいことにチャレンジしたいと言ってきた。その良いところは残したい。一方で、社会的な責任が企業体としては大きくなっている。コンプガチャもそうだし、社会を騒がせる問題を起こしてはならないと思っている。そのバランスをいかにとっていくか。ベンチャー気質を保ちながら、信頼していただける会社になるには何が必要なのか。カルチャーなのか内部の体制なのか。第三者委の目も入れて再度見直していきたい。