当初MERYは公開を続ける予定だった。なぜあとから非公開にしたのか。

守安:他の9媒体については、記事作成マニュアルにおいて、他サイト記事の転載を推奨しているととらえられかねない記述があった。一方、MERYはそのような運営体制はないと確認できた。そこで、公開(続行)を決めた。ただ、いろいろな観点から(チェックした結果)、すべて非公開にして徹底調査することに決めた。

小林賢治・経営企画本部長(以下、小林):少しでも問題ある可能性のある記事を機械的に検出し、一斉に非公開にした結果、全体の8割の13万件が該当した。

どう検出したのか。

小林:まず「ダイエット」「効果」「絶対」「抜群」など美容健康に関わるワード540語をピックアップし、タイトルや詳細説明に1語でも入っていれば非公開にした。これが8万件ほど。それから「100%」「誰でも」「色っぽい」「合コン」など、正確性や健全性、読者に誤解・不快感を与えるワード81語が含まれたのが4万件。また、許諾ない画像などがあるのが10万件。これらの総数として、全体の8割を非公開にした。

外部ライターへの発注金額の低さが指摘されている。コストを必要以上に圧縮している状況が、今回の問題を招いたのではないか。

守安:私自身が記事を書いた経験がないので、難しいところではある。ただ(各情報まとめサイトとも)各ジャンルを好きなひとたちが、好きなものについて記事を書いてもらっている。仕事としてではなくて、趣味について書いている。それでおカネをもらえるということで喜んでもらっているという認識だった。

 ただ、記事の数を増やす過程において、どんな方が、どんなモチベーションのもと、どのように対価を感じて作っていたかは正直まだわからない。記事自体の作り方が適切だったか、内容の正確性を含めてチェックできていたのか、編集体制がどうだったのかが(今後検証が必要な)大きな課題だと思う。

DeNAはスタートアップ企業の買収により、情報まとめサイト事業を始めた。ある媒体のインタビューで守安社長は「グレーだったが買収を承認した」と発言している。今回の問題は予見できていたのか。

守安:(買収を検討するなかで)著作権への考えかたや、法的なリスクは一部あるかもしれないということは認識したうえで買収を判断した。ただ、法的な観点だけではなく実際に著作権者がどう考えているのかについての配慮が不十分だったと反省している。

マニュアルはどう作成していたのか。

守安: まさにそこが問題。現時点で把握できていない。マニュアル自体も非常に早く改定されている。どのレベルで、こういうふうに改定しようなどと指示があったのかは、きちんと第三者委を含めて調べる。

好きなひとが自発的に投稿することが魅力的と言っていた。いつごろからクラウドソーシングなどで外部ライターを大量に使う方針に変わったのか。

守安: 9媒体はかなりクラウドソーシングに依存していたが、MERYはインターンやアルバイトが書いている記事が多かった。規模を追い求めるなかで(外注の)人数が増えていった。

発注している記事の割合はどれくらいか?

小林:外部のクラウドワーカーへの発注は、MERYの場合は10%弱。大半が内部のアルバイトとか、インターンといったメンバーが書いたもの。クラウドワーカーによる執筆は、MERY以外の媒体では6〜9割程度。このうちウェルクでは9割程度だった。どんな記事制作の指示だったかは媒体ごとにバラツキがある。