素人かプロか、という以前に、コストが問題の根なのではないでしょうか。「2000文字1000円」という単価で外部ライターに記事を発注していたということですが、1000円は一般的なアルバイトの時給程度です。これでは粗製乱造につながっても仕方がありません。

7日の記者会見に臨んだ守安社長。急きょ、創業者でもある南場智子取締役会長(右)も参加した

守安:最初に「好きな人は書くんです」とキュレーションメディアの説明を受けました。ブログを書いている人は無料で書いている。クックパッドでも無料で書いている。そこに少しお金を支払うことで、もっと書いてくれるようになると。なので、安いことについては問題がないと思っていたんですね。

 ただ、結果としてこうなってしまいました。好きなことに対して若干のインセンティブがもらえる、という手法であれば、いい方向に向かうのかもしれません。「YouTube」などでも成立しています。一方で、単なる仕事として発注し、量産しようとすると、こういうふうになってしまうのかもしれない。ビジネスとして成り立つのかどうかも含めて、第三者委員会で検証してもらいたいと思っています。

一部では、文章を若干、改変する「リライトツール」や、ネット上から自動収集して記事を作る「Bot」の利用が、外部ライターの一部にあったのではないか、との指摘もあります。

守安:そうしたツールの存在は知っていました。当然ながら、そのようなものを使って記事を作ることは一律、禁止していました。なぜかというと、コピーしたようなサイトは、グーグルからブロックされてしまうからです。グーグルからブロックされていない以上は、そういったツールは使われていないと思っています。

 ただし、本当にライターの方が使っていないかどうか、私たちはチェックする術が今のところないので、断言はできません。そうしたことも、第三者委員会の調査のスコープに入るのかもしれません。

「グーグルが喜ぶ部分への比重を高めすぎた」

WELQについては「ガン」「腰痛」「死にたい」など、あらゆる検索キーワードで上位に表示されるよう最適化する「SEO(検索エンジン最適化)」についても批判が集まりました。

守安:僕はSEOが好きなんです。昔、(DeNAが運営していたオークションサイトの)ビッダーズでSEOを実施し、トラフィックを上げた実績があるので、効果的だというのは身にしみて知っています。SEO自体、悪いものだとは思っていません。

 ただ、効果的なSEOを重視したことで、ユーザーに向いて記事を作ることとのバランスを間違えたのではないか、という反省はあります。言い換えれば、ユーザーが喜ぶコンテンツと、グーグルが喜ぶコンテンツと、それがイコールならいいのですが、そうとは限らない。グーグルが喜ぶ部分への比重を高めすぎた。そこで、ひずみが出てしまったという可能性はあります。

WELQでは、人の健康にかかわるコンテンツだったために問題視されました。病気などで困っている人々に、いい加減な記事を読ませ、広告収入につなげようとしたのは、倫理的に問題があるという指摘です。

守安:きちんと監修されたコンテンツであれば、SEOをしていても問題はなかったと思います。監修やエビデンス(証拠)がない記事をSEOしていたことが問題だったという認識です。実際に、監修された医療情報をSEOで最適化している医療情報専門サイトやメディアは多数あります。

「死にたい」も問題ない?

守安:これも、誘導先のコンテンツが問題でした。そういう人を救おうという信念やポリシーをもった記事であればよかったのですが、最終的には転職を斡旋する広告につながっていったということで、コンテンツと広告の中身に問題があったことは事実です。そういうセンシティブなキーワードに関しては、倫理的なことも含めて、もっと編集チェックを強化すべきだったと思っています。