かなり段階的に対策を講じており、後手後手にまわった印象が拭えません。

守安:日々刻々といろんな報道が出たり、新たな指摘をいただいたりする中で、その都度、社長として相当に難しい判断を思い切ってやってきたつもりでした。WELQ以外の8サイトを落とした時も、そうです。

 ただし、結果論として、段階的に全10サイトの休止に至ってしまったというのは、ひとえに私の判断ミスと言わざるを得ません。もっと早いタイミングで9媒体、10媒体を落とすべきだったという意味で、判断が甘かったと反省しております。後手後手だ、と言われても仕方がないと思っています。

9サイトを休止した際のプレスリリースで、守安さんは「私自身、モラルに反していないという考えを持つことができませんでした」と綴っています。具体的に、何がモラルに反していたのでしょうか。

守安:広報的にどうかは置いておき、私の言葉でご説明しますと、まず、WELQの医療記事については後付けで監修しようということで、すでに動いていました。今夏には「監修はやるべきだよね」と現場に言っており、「はい、やります」というやり取りがあったのですが、大号令というわけではありません。なかなか監修を引き受けてくださる方が見つからなかったのか、現場が動くことができていなかったのか、わかりませんが、結果として実行に移すことができていませんでした。

 この点について、後からの監修でもいいと考えていた私の認識が甘かった。医療に関する記事を扱うことについて、モラルに欠けていたと反省しております。

 さらに、記事制作のマニュアルです。これは、恥ずかしながら、バズフィードさんの記事で初めて知りました。「あっ」と思いました。細かい表現は別として、そこには著作権は守って、コピーはダメですよと書いてあります。ただ、こういうふうにやれば大丈夫ですよ、とすり抜け方を教えているようにも取られかねない文言もありました。リライトを推奨しているようにも取られかねない。これは問題だと思いました。

 モラルがもっとあれば、もっと厳しい対応や体制作りができていたはずです。そのことについても認識が甘かったと反省しています。

名ばかりの「キュレーション」

キュレーションサイトということですが、実際には「編集部が作成した記事」「一般ユーザーが投稿した記事」「クラウドソーシングなどを通じて外部ライターに委託した記事」「記事広告など広告主や広告代理店が作成した記事」の4種類が混在していました。このうち、主に問題となったのはクラウドソーシングを通じた外部ライターの記事ですが、何割くらいあったのでしょうか。

守安:詳細は把握はしてませんが、かなり大きな割合です(編集部注:7日の記者会見で、MERY以外の9媒体については6~9割の記事がクラウドソーシング経由、WELQは9割と明かした)。ただし、MERYに関してはクラウドソーシングの割合は低く(編集部注:1割程度)、社員やアルバイト、インターンが書いた記事が大半という認識です。

業務で作られた記事の集合体は単なるメディアであり、一般のユーザーが自由に投稿できる「キュレーションプラットフォーム」とは言わない、という指摘もあります。

守安:定義は難しいですよね。私の認識では、キュレーションとは、インターネット上のいろんなコンテンツをテーマに沿って寄せ集めることで価値が上がっていくもの、だと思っていますので、作り方云々、ということではないと思っています。

お金を払って安価に大量に記事を作る手法に依存していたことが、今回の炎上につながったわけですが、この手法をどう思いますか。

守安:だからこそ、信頼性や著作権などの問題がないかどうか、編集のチェックが問われていた、あるいは、問われているのだと思っています。そこができていなかったというのは、反省しています。クラウドソーシングを使うのであれば、きちんと編集チェックをすべきでした。

 ただ、クラウドソーシングであっても編集チェックがあれば信頼のおけるメディアになれるのかもしれませんし、それは不可能だ、プロのライターでないと成立しない、ということかもしれません。私は編集のプロではないので現段階で断言することはできませんが、どういうプロセスであれば、信頼のおけるメディアになれるのかどうかも含めて、今後、考えていかなければならないと思っています。