独物流会社のDHLは2017年春、越境EC(国境をまたぐネット通販)に特化した物流センターを千葉県成田市につくる。最大の特徴は、同拠点が米国や欧州の消費者に日本の商品を届けることを主眼に置いていることだ。

 越境ECはこれまで、中国向けにサービス・物流網の整備が進んできた。世界220以上の国・地域に拠点を持つ世界大手の参入により、メード・イン・ジャパンの商品を手がける事業主にとってビジネスチャンスが広がりそうだ。

日本の優れた商品を欧米など中国以外にも届けやすくする(DHLの海外物流拠点)

 物流センターは、成田空港から目と鼻の先にあるDHLの既存施設内に設ける。越境EC向けに全国から集まった商品について、DHLが通関などの事務処理を代行する。将来的には在庫管理などの付加機能も提供する考え。輸出ノウハウに乏しい地方の零細・中小商店などでも、気軽に海外事業を始められるようにする。まずは床面積300平方メートル、専任スタッフ10人という規模でスタートし、順次拡大する考えだ。

「DHLの日本事業は輸入商品に重きを置いていたが、今後は輸出にも力を入れたい」

 DHLのネット通販部門を統括するチャールズ・ブルワー氏はそう意気込む。米国や英国向けであれば、発送から4〜6営業日で現地まで配達できるという。

越境ECは中国向けが先行

 米調査会社eMarketerの推計では、個人向けネット通販の世界市場規模は2016年に約2兆ドルと、過去3年で5割以上増えている。成長のエンジンはアジア太平洋地域。市場規模は2015年に世界全体の33%を超え、北米を初めて上回ったとみられる。

 なかでも日本の事業主にとって魅力が大きいのは中国向けだ。経済産業省によると、越境ECのうち「日本→中国」の市場規模は2015年に約7960億円。2019年には2兆3000億円を超える見込みだ。