「テレビCMがなくなると寂しい」

 アリナミンは1954年に、ビタミンB1欠乏症である脚気の治療薬として発売され、栄養ドリンク剤や錠剤に加え、注射薬としても提供している。当初はほとんどが医療用医薬品だったが、栄養ドリンク剤が医薬部外品に移行したことで、大衆薬としての認知度が高まった。

 武田は潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンティビオ」や、多発性骨髄腫治療薬「ニンラーロ」など医療用医薬品を収益の柱に据えており、相対的に大衆薬の比重は下がっている。「非中核事業」と目されるのも、このためだ。

 もっとも、アリナミン事業は株主からの支持も高い。5日の臨時株主総会に参加した個人株主は「アリナミンは数少ない一般向け商品。もし事業が売却されてテレビCMがなくなると寂しい気持ちもする」と話した。ウェバー社長は総会で「収益性の高い会社を目指す」と改めて強調したが、医療用医薬品の研究開発費は大きく失敗するリスクも大きい。安定収益が見込める大衆薬事業を切り離す可能性はあるのか。注目が集まりそうだ。