正午前には多くの従業員が仕事をしている
正午前には多くの従業員が仕事をしている

 そして迎えた正午。執行役員でもある現場の長が、自身のカバンを手にいそいそと自席を後にした。トップが率先して早く帰る。上司が先に帰ると、部下も早く帰りやすい。働き方の制度を作っても、なかなか現場で活用されない企業が少なくないのは、こうしたトップの行動が左右していることが多い。

 トップが帰れば堰を切ったようにみんなが帰るはず!と思ったが、意外にみなさん帰らない。事前に取材や撮影が入る現場の人たちには伝えていたものの、「取材に合わせて従業員に帰るよう会社から指示を出さないでください」と先方の担当者に伝えていた。

 その効果がありすぎたのか、意外にみんな帰らない。みなさん本当にマイペース。大勢がワッと退社するシーンなんぞ撮りたいものだったが、願いは叶わず。同伴したカメラマンも渋い表情を見せる。

 だが、10分、15と経過すると一人、また一人と席を立つ人が出てきた。定時である正午を過ぎて1時間ほどで、半分ほどの従業員が会社を後にした。残りの半分は帰らない。どうしたものかと担当者に聞くと、「営業部署なので、2つの班に分けて当番制で『金どう』を取っている」とのこと。なるほど。取引先は通常に仕事をしているわけで、すべてがユナイテッドに合わせてくれるわけではない。社外からの問い合わせなどへの対応もあるため、半分ずつずらして取得しているのだ。ヤラセがなく、リアルな現場を見ることができた。

一人、また一人と従業員が会社を後にする
一人、また一人と従業員が会社を後にする
出社の当番である社員以外はみんな帰った
出社の当番である社員以外はみんな帰った

平日だからできることを満喫

 月に一度の金曜半ドン。みなさんどのように過ごしたのかを聞いてみる。

「歯医者と病院を予約した」
「美容室とネイルで自分磨き」
「趣味の草野球で使う打撃用手袋を買いに」
「平日で宿泊料が安い金曜から旅行に」
「市役所や銀行など、働いていると行きづらい機関をまとめて訪問」
「予約がしづらい料理店に、早い時間から行く」

 実にバラエティーに富んだ回答が返ってきた。

 平日の半日を休みにするだけで、これだけ楽しめることがあるのかと感心してしまった。半ドンを金曜に設定したことで、休みが土日と連結。普段はできないことを思いっきり楽しめる時間を創り出している。

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