列車のデザインを手掛ける水戸岡鋭治氏。「ROYAL KITCHEN」と呼ばれるキッチンがこだわりという

 ただし、手のこんだ列車を走らせれば、地域の再生が叶うわけではなく、本当の意味での伊豆の再生への覚悟が求められる。水戸岡氏は「列車はあくまでも東急電鉄や伊豆急からのプレゼントに過ぎない。どうやって地域を活性化するか。それは地元の人たちも含めて、知恵を絞っていかなければならない」と強調する。

現地の取り組みがあってこそ

 水戸岡氏は列車のデザインにとどまらず、地域活性化に携わってきた。例えば、大分県の豊後森駅の駅舎や駅前に並ぶ商店ののれんをデザインしたほか、近隣の伐株山山頂にある休憩所を設計した。ここでは先日、地元の社団法人が、地元の子供たちを招いたコンサートを実施。町やJR九州などの後援や協力を得ながら行い、好評を博した。地元と企業が一体となって取り組む重要性を痛感している故の発言だ。ななつ星 in 九州が好調な背景にもこうした覚悟と取り組みがある。

 東急電鉄と伊豆急は、運行までの間に地元の協力を仰ぎながら、トータルで列車の旅を作り上げていくことになる。都心から比較的行きやすい場所であるアドバンテージを生かしながら、まだ知られていない魅力をどのように伝えていけるか、注目される。