「松本さんは中長期の視点」

買収を繰り返し、グループ企業は85社にも上っています。人材面から見てもスピード感をもって再生するのは難しかったのではないですか。

瀬戸:それは否定できません。株主の期待もあります。2021年3月期に売上高3000億円、営業利益350億円を掲げた「コミット2020」などを公表していますが、そうした成長目標に向けた手段が目的のようになってしまったのかもしれません。

 だからM&A(合併・買収)はいったん止めて、構造改革を優先することにしました。

カルビーの前会長兼CEOで、瀬戸さん自身が6月に招聘した松本晃氏は構造改革を先行するよう主張したが、なかなかその通りにならなかったと聞きます。

瀬戸:松本さんは中長期的な視点から何をすべきかを言われた。一方で私は今期についてもどうするかを考えなくてはいけない。長期も短期も両方大切です。両方考えないといけないのですが、なかなかすぐにはいかなかった面はあるかもしれません。先ほどお話ししたように私自身、これまでの段階で「まだ大丈夫では」と思ったこともあります。
 (役員の間で松本氏の方針に反対もあったが)私は別に対立とは思いません。いい議論だったと思います。10月に松本さんはCOOを外れましたが、これはマネジメント全般より、構造改革に集中して貰うためです。

買収企業を再生して「シナジー」を効かせる

松本さんはまだ現職にとどまって改革を続けるのですか。

瀬戸:そうです。今回も大きな力になったと思います。ガバナンス(企業統治)についても意見を貰いました。1人の役員が何社も担当するようなことをしても集中できない、当事者意識が希薄になるといったことを言われましたが、その通りでした。
 (今は社外活動もあり、松本氏はRIZAPに毎日来ているわけではないが)当社で働いている時間ではなく、どんなインプットをして貰い、アウトプットを我々とともに出すかが全てです。そうしていきたい。

14日の記者会見では、買収した企業の売却も含め、フィットネス事業を中心とした本業に集中すると表明しました。しかし、フリーペーパーや和装品、戸建て住宅など、買収した企業の中にはどのように本業とシナジー(相互作用)を効かせていくのか見えにくいものもあります。

瀬戸:まずグループ企業個々の力を引き上げることだと思います。事業を強くして、その中からよりいいものを選び出してRIZAP本体とのシナジーを効かせていく。そんなイメージでしょうか。

 フランスの有名アパレルブランド会社は、不振企業を含め多数のアパレル会社を買収し、再生して力が本当に上がったところをそのブランドと並べて売るといいます。それと似たような考え方です。

構造改革が一段落した後、負ののれんのある企業を主として買収する従来のM&Aはやめるのですか。

瀬戸:必ずしもそういうわけではありません。その時々の状況で判断していくつもりです。