プロ野球に参入した5年前は、IT企業ならでの発想で球界や球団を盛り上げるためにやれることがたくさんあると言っていました。ですが、DeNAの本業とのシナジー効果はあまりないように見えます。

南場 実はゼロじゃないんですよ。「SHOWROOM(ショールーム)」という動画配信サービスがあるのですが、そこでベイスターズの全主催試合を生中継しているんですね。先日の三浦選手の引退試合は7万人ちょっと集まったりとファンのあいだに定着しつつあります。

 スタジアムでのeコマースのキャンペーンも効果がありましたし、ゼロじゃないんですけれど、確かにこれまでは、私たちは球界のルーキーとして、とにかく走りだす、きちんとした球団経営をやるというのを優先してやってきたというのも事実。次のフェーズでは、DeNAの総力を挙げて、もっとお互いのシナジーを高めていきたいなと思っています。

具体的な分野として、DeNAのどんな既存事業とのシナジーが考えられるのでしょうか?

AIを活用した「スマートスタジアム」構想

(撮影:北山宏一)

南場 eコマースへの知見もありますし、あと私たちは今、AI(人工知能)分野への投資も重点的に行なっています。スマートスタジアムと言うと大げさですが、AIの活用というのもテーマとして成り立ちます。

 例えばですが、1つはチームの状況やお客様の入り、対戦相手、天気といったデータをリアルタイムで分析していけば、どのエリアで何がどれぐらい売れるのか、という需要予測の精度を上げていくことができますよね。そうなれば、売り子さんの数をもっとダイナミックに変化させて配置をする、ということが可能になると思います。

 それから、これはどこまでできるか分かりませんが、AIはセキュリティー分野も得意なんですね。画像分析でいろいろなことがわかってくる。それから、戦術面にも活かすことができます。

 試合中のベンチにコンピューター類の持ち込みは禁止されていますが、選手や相手チームの状況などいろいろなデータをもとにAI分析した情報を、事前にラミレス監督に伝えることはできる。それがラミレス監督からどう評価されるかわかりませんが、面白いかなと実は思っています。

 ですから来シーズンは、シナジー元年にしたいですよね。それにふさわしい体制ができて、わくわくしています。