一方で、春田・前オーナーはスタジアムさんの経営陣と非常に良好な関係を築いてくれましたが、春田が退任して以降は、球団とスタジアムの関係はそんなに温かいものではありませんでした。どちらかというと、収益を分ける相手、という関係になり、互いにフラストレーションが高まっていたのだと思います。球団からも、スタジアムとは経営が分離されているので、なかなか一体的な取り組みができず、収益的にきついという声も聞こえてきていました。

 結局、そういう関係のままでは限界があるなと思い、今回、TOBでスタジアムを買収する決断をしたわけです。

(撮影:北山宏一)

地元有力者を中心とするオーナーズクラブの動向が焦点となりました。一部、反対する株主もいましたが、オーナーズクラブの7割以上の賛同を得て、DeNA球団が76%の株式を握りました。どう乗り越えたのでしょうか。

南場 反対されていた方にとっては、やっぱりスタジアムというのは地元の名士たちを中心にずっと運営してきた会社であり、それが企業の持ち物になる、しかも本社が東京ということに対して、伝統を重んじる立場から反対されていた、という認識です。

 それを乗り越え、大多数の株主の理解を得ることができたのは、やはり愛されるチームになっていった、というのが大きかったと思います。私たちは、弱いなりにちゃんとファンサービスをし、裏方の球団スタッフもひたむきに頑張って一歩ずつ進んできた。そうした姿を見て、やつらもなかなか頑張っているじゃないか、と多くの個人株主の方々が評価してくださったのだと思います。

 その結果としての76%という数字は、本当にいい数字だと思っています。何より地元の方々に認めていただけた、というのが本当に有り難いですし、嬉しいですよね。

広島と日ハムは「理想とするような球団」

来シーズン以降のお話も伺いたいのですが、オーナーとしての重点項目は何でしょうか。

南場 CSには出場できましたが、1位の広島とはかなりの距離がある。ラミレス監督は選手時代からファンサービスを決して軽視しない。彼にはそれもしっかりとやりつつ、常に優勝争いに絡むようなチームにしてくださいと言っています。やはり、143試合やって勝つというリーグ優勝が一番、価値があると思っています。

リーグ優勝の実現性や可能性はどのくらいでしょうか。

南場 正直、かなり可能性がある。ラミレス監督って負けたときも決して下を向かないでしょう。「Tomorrow is another day」って彼の口癖なんですけれども、勝ったときは余韻に浸らない、負けたときも引きずらない。常に前を向いて明日の試合に精いっぱい集中する、という姿勢を植え付けていて、今年、一定の成果を出したことで、選手たちの自覚が高まったんですね。俺たちはビリ争いをしている球団じゃないんだと。

 もちろんすべての球団が1位を狙ってくるのでたやすくないのは分かるんですけれども、1回自覚が生まれたチームが前を向いて戦うということで、私はかなり(優勝の)可能性は高いと思っています。

2016シーズンはリーグCSに初めて進出した(C)YDB