ディー・エヌ・エー(DeNA)が、プロ野球球団の横浜DeNAベイスターズを中心とするスポーツ事業で成果を上げている。今年1月に横浜スタジアム運営会社のTOB(株式公開買い付け)を成立させ、球団との一体運営を実現。年間の観客動員数は昨年比6.9%増の約194万人となり、球団記録を更新した。

 成績も好調だ。球団買収5年目の今期の順位は買収後最高の3位で、クライマックス(CS)シリーズへの初進出を果たした。CSシリーズでは巨人に競り勝ち、広島とのファイナルステージまで残った。

 そうした好調ぶりは決算にも表れている。昨年まで赤字だった球団運営は今期、黒字に転じる見込み。DeNAが11月4日に発表した第2四半期(2016年7~9月期)連結決算では、スポーツ事業の売上高は63億円(前年同期比56%増)、営業利益は22億円(前年同期比114%増)と、ともに大幅に伸びた。これが寄与し、主力のゲーム事業が落ち込む中、DeNA全体の業績も前年同期を上回る増収増益に転じた。

 こうした成果を球団オーナーに就いて2年目となる南場智子氏はどう眺めているのか。DeNA創業者で取締役でもある南場氏が、オーナー就任以降、初となるロングインタビューに応じ、思いを語った。

ディー・エヌ・エーの創業者で取締役会長の南場智子氏。昨年1月、横浜DeNAベイスターズのオーナーに就いた(撮影:北山宏一)

昨年1月に春田真・前オーナーから球団を引き継いで2シーズンが終わりました。どんな心境ですか?

南場 そうですね。2シーズンやって、球団経営と、それからチームの強さともに、新しいステージに入ったと思っています。来シーズン以降の展開を本当に楽しみにしていただきたいという気持ちです。もともと私自身、野球にそこまで詳しい方ではありませんでしたが、ようやく一人称で語ることができるところまで来ました。今日はいろいろ分かってきたことも含めて、お話できればと思います。

ファンサービスがチームに浸透

球界参入から5年目となる今シーズンは躍進の年でした。初めてクライマックス(CS)シリーズに出場し、観客動員数も球団史上最高の約194万人となりました。球団改革の成果と言えるのでしょうか?

南場 確かに、観客動員数は(買収当時の)110万人くらいから194万人まで、80万人ほど増えました。皆さんから球団がすごく努力したと言っていただけるのですが、主役はチームなんですよ、当たり前ですけれど。9割は、やっぱり選手と監督の努力の成果だと思っています。

 加えて、数字がこれだけ伸びた功労者として、やっぱり前オーナーの春田真も挙げたい。なぜかというと、DeNAとして最初のシーズンを迎える前、春田・前オーナーは中畑(清・前監督)さんにこうお願いしているんですね。勝つときも負けるときも必ずインタビューに答えて発信してほしい、どんなときでもファンサービスを大切にしてほしい、と。

 中畑さんは「もちろんです」と引き受けてくださり、その背中を見た選手たちも本当にファンサービスを一生懸命やってくれました。立役者の1人が(今シーズンで引退した)三浦大輔選手です。

2016年の観客動員数は約194万人。買収当時に比べると80万人ほど増えた (C)YDB