スマホが生む「見せる文化」に商機

スマートフォンに搭載されるカメラが高機能化するにつれて、デジタルカメラを購買する人は若者を中心に減少傾向にあります。その中で、どうやって成長を実現するのでしょうか。

石塚:市場規模は横ばいないし、減少でしょう。そんな中で伸ばしていくのはチャレンジですが、我々の強みが2つあります。まずはイメージセンサーを内製化していること。3年先のロードマップを持って、開発に取り組むことができています。2つ目はレンズ。これは弱みと言われてきましたが、商品ラインを追加していくことで売り上げを伸ばしていくことができます。ラインナップは現在79本ですが他社に比べるとまだ少なく、これを充実させることで伸ばす余地があります。

 台数ベースで販売を拡大していくのは簡単ではありません。「スマートフォンでいい」と考える人が増えていますからね。ただ、写真そのものの枚数はけた違いに増えています。これまでは、写真や動画を人に見せる文化はなかった。動画なら子供の運動会などを撮って、家族で見るのが主な用途でした。それが、スマホを通じてSNS(交流サイト)に写真や動画がどんどん上がっている。人に見せる機会が増えると、もっと良く見せたいと考えるようになります。プロとアマの中間にいるユーザーがハイレベルの動画、静止画を求めるようになるわけですね。ネット上で自分の写真を販売している人もいるし、個人レベルのビジネス拡大には商機があると考えています。

ソニーは全社的に、安定した顧客基盤から継続的に収益を稼ぐ「リカーリングビジネス」に力を入れていますが、デジタルカメラではどう取り組んでいきますか。

 カメラは本体を販売し、その後、レンズを追加してもらうという点で、まさにリカーリングビジネスと言えます。一般的な消費者はレンズをあまり買い足しませんが、ハイアマチュア、そしてプロになるほどレンズの所有本数が増えていきます。その分野を育てることで、リカーリング率も高まっていきます。

ソニーは「ミラーレスでプロ市場を攻略」をスローガンに掲げる

「トップブランドになりたい」と明言されていますが、それはどういう状態を指すのでしょうか。

石塚:「電器屋のカメラ」と揶揄され、カメラマンや専門店の方からも評価されなかった時代もありました。ブランド価値の測定は難しいですが、「『SONY』と書いてあればカメラだ」と言われたいんです。それがサイバーショット立ち上げの時からの夢です。静止画だけでなく動画も含めて、我々のシェアを高めるだけでなく、カメラ市場全体のけん引役になっていきたいと考えています。