一方で年々増えている研究開発費と設備投資はそれぞれ1兆700億円、1兆3400億円(いずれも通期見通し)で前回発表から据え置いた。

 厳しくなる環境規制への対応や自動運転などの新技術の開発で、自動車各社の開発費は増大傾向にある。逆風下でも簡単に削減できない状況が続く。

 特にエコカーは次世代車の主流が見えにくく、経営資源を特定のパワートレインに振り向けるのが難しい。中でも世界トップのトヨタは、“博打”ができない立場にいる。

 「我々のビジネスは車種も地域もフルライン。全方位だ。何かがダメでも他で補う」。伊地知副社長はこう説明する。同じことがパワートレインにも当てはまる。

「究極のエコカーは燃料電池車だ」

 トヨタの研究開発費は足元では内燃機関車とHV(ハイブリッド車)で相当な割合を占める。時間が経つに連れて、PHV(プラグイン・ハイブリッド車)、EV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)へとシフトしていく見通しだ。

 EVに舵を切って2020年には量産体制を整えるという報道が出ていることに対して、伊地知副社長は「我々(の本命)はFCVだと思っている。究極のエコカーはFCVであり、今も考えは変わっていない。だからFCVに重点を置いた開発を続ける。ただし、その過程では様々な選択肢がある。ゼロ・エミッション達成にはEVの選択肢がある。その国のインフラ整備の状況に応じて、商品としての投入の検討が可能な体制にはしておきたい」と述べた。

販売台数は1000万台をキープ

 通期のグループ販売台数計画は1010万台と前回から5万台引き下げるも大台をキープする。北米で乗用車需要がSUV(多目的スポーツ車)やトラックに移行していることや、国内軽自動車の需要減を見込んだ。

 主力市場の一つである北米については、「2017年も安定的な市場が続く。主力セダンや小型SUVを投入する。需要にしっかり応えていきたい」(伊地知副社長)とした。