「私がやっとけばよかった」

潮田さんは今回復帰して、持ち株会社のトップに専念すると。

潮田:そうですね。藤森さんの前はそうでしたから。だから藤森さんの時も、瀬戸さんのときも、そのまま私が(純粋持ち株会社のトップを)やっとけばよかったと反省はしているんです。つまり純粋持ち株会社というのはそれ自体が事業会社に対するガバナンスなんです。だけど藤森さんと瀬戸さんの時は事業会社の社長も兼ねたのでガバナンスになっていない。同じ人が同じ人を監視するわけですから。かろうじて取締役会というのがありますが首の皮1枚のガバナンスです。純粋持ち株会社が効かせるガバナンスよりは弱い。

 それに、これはいいことでもあるんですが、瀬戸さんの経営というのはとてもハンズオンだったんです。仕事の仕方にはものすごく好感を持ったし、多々良いことはありました。でも事業会社の仕事をハンズオンでしていると、寝る間を惜しんだって(持ち株会社を見る)時間は足りない。ちょっと時間的に無理じゃないのかという気が、初めからしていたんですよね。瀬戸さんが5人いればいいですけどね。

CEOを外れた瀬戸欣哉社長は10月31日の記者会見で「正直言って残念」と無念さをにじませた(写真:共同通信)

瀬戸さんと経営方針の違いもあった。

潮田:大きな考え方の違いですかね。私は布石を打つのが好きなんですよ。捨て石になることも多いんですけど、効果があることも多い。だから布石をこれまでたくさん打ってきたんだけど、それをたたまれてしまったんですよね。事業も人も。私は今期の利益を極大化する必要はないと思っている。10年後、20年後に花開く要素をどれだけ持っているかによって経営は決まるという考え方なんです。瀬戸さんは経営しやすい形にもっていくんですよね。それはそれで正しいんですけど。だけど私の考え方は経営しにくさの中に経営の妙味があるということなんです。

プロ経営者2人に経営を任せてきましたが、今はどんなお気持ちですか。

潮田:プロ経営者の定義がまあはっきりとはわからないけれども、そういう意味では私もプロと言えばプロなのかもしれない。

社長交代の発表を受け、株価は下がっています。ガバナンスの混乱とみられているのではないでしょうか。

潮田:株主が不安になるのは当然かもしれません。こちらから今後の経営の方針について正式なお話をまだできていないのだから。今後、今回の人事の意図について、もう少し詳しく説明する場が必要だと思っています。そうすれば理解は得られるはずです。