国内初の記者会見に臨んだ、シャープの戴正呉社長(写真:つのだよしお/アフロ)

 「私ではなくて、野村さん(副社長)に聞いたほうがいいんじゃないですか。なんて、冗談です」

 戴正呉社長の注目の第一声は、予想外の返しだった。1日、シャープが都内で開催した2016年上期(4~9月期)の決算発表会。鴻海(ホンハイ)精密工業の戴副総裁がシャープの社長に就任して初となる記者会見だっただけに、会場は多くの報道陣で埋め尽くされた。

 質疑応答の1問目、今後の課題について問われた戴社長。開口一番、冒頭のように笑って返す光景から、同氏の茶目っ気ある一面が垣間見えた。そして、流暢な日本語でこう続けた。「この3カ月半、シャープの色々なことを調査し、課題は多くあると感じました。世界最大のEMS(電子機器の製造受託サービス)、鴻海の力も使い、シャープを変えていきます」。物流や購買などで、鴻海とのシナジー効果を高めていく。

2014年3月期以来の営業黒字

 この時発表した2016年度上期の決算は、売上高が前期比28.1%減の9196億円、営業利益が7900万円(前年同期は251億円の赤字)だった。売上高は大手顧客向けの中小型液晶やカメラモジュールの販売減などが響き依然として厳しい水準だが、固定費削減などの構造改革により損益は大きく改善し営業黒字となった。

 また、2016年度通期の決算見通しでは、売上高が前年度比18.8%減の2兆円、営業利益は257億円の黒字(前年度は1619億円の赤字)。営業損益が黒字に転換するのは2014年3月期以来、3年ぶりだ。下期には鴻海との協業が効果を出し、営業利益を99億円押し上げるとの見通しも明らかにした。

 2017年度に当期純利益の黒字化を、そして2018年度をメドに東証一部への復帰を目指す。