フロア構成も従来の百貨店のスタイルは当然、採用していない。いわゆる「デパ地下」や「婦人服売り場」、「化粧品売り場」といった構成にはしない。山本社長は、この点について「大きな挑戦になる」と語る。「美や健康をトータルで提供するようなビューティーフロアなど、従来とはまったく違う姿になる。ファッションフロアも、従来のようなアイテムや性別の区切りではなく、夫婦や家族で楽しめるような新しい売り場にする」と意気込む。

従来の百貨店のフロア展開にとらわれない店作りをするという

「百貨店アパレル」低い存在感

 ファッションのラインアップを見ても、「百貨店アパレル」と言われてきた大手国内アパレルメーカーのブランドは少ない。オンワード樫山は「JOSEPH(ジョゼフ)」、ライセンス契約の「PAUL SMITH(ポール・スミス)」の2つ。ワールドは「DRESSTERIOR(ドレステリア)」のみだ。対照的に目立つのが海外ブランドだ。

 松坂屋銀座店は2013年6月に営業を終了した。同店の当時の売り上げに比べて、ギンザシックスが目指す年商600億円は圧倒的に大きな規模だ。一方で、賃貸借契約の形態は、大きな利幅が取りにくいビジネスであり、Jフロントの脱百貨店施策の成果は未知数だ。山本社長は、日経ビジネスの2016年1月のインタビューに答えて、こう話していた。

 「確かに婦人服は、粗利益率が高いのですが、従来の高いコスト構造の百貨店のままでいいわけがありません。婦人服が少し縮んでも、他で粗利を稼いでお客様の求めているものが展開できるような、低コストの構造に変わっていく必要があります」

 50年後を考えた結果、行き着いたという「百貨店をやらない」選択。百貨店の「次」を占う上で、試金石になるのは間違いない。