10月25日、東証1部に新規上場した九州旅客鉄道(JR九州)。JRグループで4社目の上場となった同社は、鉄道事業以外で売り上げの6割を稼ぐ異色の存在だ。同社の上場初日の模様を追った。
JR九州の上場記念式典には、歴代社長4人が出席した(いずれも前列。中央=左から6人目=が青柳俊彦社長。左から3人目が石原進相談役、4人目が唐池恒二会長、右から4人目が田中浩二特別顧問)

 10月25日午前9時20分過ぎ。東京証券取引所の上場記念式典の会場に、JR九州の歴代社長が次々と姿を現した。2代目の田中浩二氏(現在は特別顧問)、3代目の石原進氏(同相談役)、4代目の唐池恒二氏(同会長)、そして5代目で現社長の青柳俊彦氏だ。1987年の会社発足後の29年間で、初代社長を務めた石井幸孝氏を除き、実に4人の歴代トップが一同に会した。

記念の鐘を歴代4社長が鳴らす

 新規上場企業は記念式典で、五穀豊穣に由来し、企業の繁栄を願って5回鐘を鳴らす慣習がある。鐘を打つのはセレモニーの主役で、現職の社長や会長など限られた経営幹部が計5回鳴らすことが多い。

上場記念の鐘を打つ青柳俊彦社長。この後に歴代社長も登壇し鐘を鳴らした

 この日のJR九州では歴代4社長が、青柳氏、唐池氏、田中氏、石原氏の順に1回ずつ鳴らした(残りの1回は同席した本郷譲専務、前田勇人専務、グループの商業施設運営会社、JR博多シティの渡邊晴一朗社長が3人で打鐘)。歴代トップがそろって式典で中心的な役割を演じ、今回の上場がJR九州の歴史において悲願の上場であることを強く印象付けた。

 式典が終盤に差し掛かった午前9時40分過ぎ。初値が3100円を付けたことが会場に伝わると、青柳社長は笑顔で大きくうなずいた。2600円の公開価格を2割近く上回る水準で、JR九州株を購入したい投資家の多さがうかがえる。午後は売りが多くやや値を下げる展開となったが、それでも終値は2990円と公開価格を15%上回り、まずは順調なスタートを切った。