ベインが日米韓連合を主導する形になっている理由はなぜですか。

杉本:コンソーシアムの我々以外のメンバー、例えばアップルやデル、シーゲート・テクノロジーなどの米国企業にはWDに対抗したいという思いが強かった。主導権を握るというより、メモリービジネスをWDに牛耳られたくないというのが一つの動機でした。一方で、日本企業のHOYAもマイノリティー出資にこだわっていました。ベインが主導権を握るのは自然な流れだったのでしょう。

ナンバー2までしか生き残れない

フラッシュメモリーの世界シェアを見ると韓国サムスン電子が首位(2017年4~6月期の金額ベースで38%、IHSマークイット調べ)で、東芝は2位(同16%)の立場です。ただ経営危機による投資の遅れなどが影響し、サムスンとのシェアは徐々に引き離されています。巻き返せますか。

杉本:確かにサムスンは巨大な存在ですが、3Dメモリーに関しては東芝メモリとサムスンは拮抗しているとみています。今後数年間でどれだけ技術を伸ばしていけるかが、勝負のカギを握るでしょう。東芝メモリは優れた技術を持っており、日米韓連合が成長を後押しできます。さらに次のステップとして、速やかに上場できれば資金調達の幅も広がるでしょう。

3Dメモリーではサムスンと十分戦えると?

杉本:はい。もともと3Dメモリーの基礎技術を開発したのは東芝。ですがその後、研究開発と設備投資の両面でサムスンが追い抜いたのは事実です。ここに来て東芝メモリも技術面でサムスンにキャッチアップしてきています。繰り返しになりますが、今後数年間が勝負の重要な局面になってくるでしょう。

巻き返しに向け東芝メモリの四日市工場では設備投資が急ピッチで進む
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メモリーの技術開発の方向性はどうなるのでしょうか。

杉本:まずは3Dメモリーの(メモリー回路を積層する数を増やして容量増大とコスト削減を進める)開発競争が軸となります。64層品、そして96層品で市場にどう打って出るか。その次の技術はまだ見えていませんが、何を開発していくかが重要になってきます。

最終的に東芝メモリはサムスンに追いつけるのでしょうか。

杉本:メモリーに限らずあらゆる市場で、ナンバー1もしくはナンバー2であることが重要になっています。よく言われていますが、「シェアが低いナンバー3では生き残れない」。ここでサムスンに付いていくことで2位の立場が堅持できると考えています。

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