川重の哨戒機、マーケットに競合少ない

日本は豪州からの潜水艦受注に失敗しました。どのような製品が輸出案件としては有望でしょうか。

バージェス:例えば、川崎重工が自衛隊向けに近年開発した哨戒機「P-1」、輸送機「C-2」などの競争力が高いとみている。川重は販売後のアフターサービスなどを確実に提供する能力もある。P-1の競合は実質的にはボーイングの「P-8」くらいしかない。ライバルの少なさは参入のチャンスだ。C-2の場合、中型の輸送機でエンジンは2基。貨物の輸送性能もさることながら4基のエンジンを要する輸送機よりもコスト競争力が高い。ハネウェルはP-1、C-2ともに各種の機器・装置を供給している。

川崎重工が「P-3C」の後継で開発した哨戒機「P-1」。洋上や潜水艦などを警戒監視する。

日本の防衛産業は輸出に前向きになりましたか。

バージェス:政策転換を経て、日本企業の輸出に対する姿勢は1~2年前には考えられなかったほど柔軟になった。輸出への意識は確実に高まっている。ただし、興味はあっても様子見といった感じだ。理由は輸出にあたって日本政府の協力がどの程度得られるのか、実際のところまだ不透明な要素が多いためだ。国と国が絡む防衛装備品マーケットの性質上、政府の姿勢は極めて重要だ。

政府の建設的な関与、装備品ビジネスに不可欠

 日本の防衛大手である三菱重工や川崎重工などにしても、一般的には防衛部門はこれまであまりメインとはいえない事業だった。だが他の事業では日本企業は豊富な輸出経験を積んできている。防衛装備品も潜在的な可能性は大きい。他の事業での経験を生かしつつ、海外向けの防衛装備品ビジネスを軌道に乗せるため政府の関与をもっと引き出すにはどうすればよいのか、日本企業自身が真剣に検討することが大事だ。

 既に防衛装備品マーケットで成功しているハネウェルのような企業とうまく組むことも有意義だ。事業拡大に必要なすべての能力を自前で賄うことはできない。パートナーを信頼し、助言を求めることで成功する確率も高まる。