病院全体のシステムを統合していく

それに対して打つ手はあるか。

:既に発表して導入も始まっている外科手術用内視鏡システム「VISERA ELITE(ヴィセラエリート)II」を軸として、オリンパス製品の顧客にリニューアルの提案をしていく。もちろん4Kでも新たな顧客を獲得していきたい。

 もう一つは(外科手術で切開や止血などの処置を行う)エネルギーデバイス。戦略製品の「THUNDERBEAT(サンダービート)」は主要地域で2ケタ成長と好調に推移しているが、北米での子宮摘出術関連デバイスの落ち込みを埋めるまでには至っていない。

 そこで昨年末、子宮摘出術の際にがんが散らばるのを抑えてより安全に行える「CTEシステム」という新製品を発表した。米国婦人科学会と共同でCTEシステムのトレーニングも進めている。市場の評判は大変良く、トレーニングが進んでいけばエネルギーデバイスの落ち込みも改善するとみている。

競合他社から顧客を奪う営業力はどのように強化するのか。

:当社の外科領域の営業力は競合他社に比べ、情報収集力、医療機関へのアプローチ、顧客に対する説明力など、全てにおいて劣っていると自覚している。中計では営業力強化に投資し、色々なプログラムを走らせている。例えばCRM(顧客関係管理)システムを強化し、医療機関の契約が切れるタイミングを探ってしっかりアプローチするとともに、ニーズを拾い上げてトータルソリューションを提案していく。

 現状、当社の外科領域のマーケットシェアは低く、競合他社からの買い替えを促さなければならない。営業人員を増やすだけではなく、確かな戦略を立てて挑まなければシェアを伸ばすことはできない。

今年6月、院内画像管理システムを手掛ける米イメージ・ストリーム・メディカル(ISM)を約87億円で買収した。今後の展開は。

:ISM社の強みはCTやMRI、内視鏡といった様々な画像のほか、手術室の照明や音声、患者情報などの病院の基幹システムを統合して制御できること。それに必要なIP(インターネットプロトコル)ベースの映像管理技術や、手術室の改築を含めた病院全体のプロジェクトの進め方に関するノウハウをISM社は持っている。

 買収によるシナジーは非常に大きい。病院全体のシステムを統合するような能力を持たなければ、内視鏡などの個別製品を持っていてもなかなか入り込めなくなってくるからだ。まずは最大の市場である米国でしっかりやり、水平展開していく。