売上高の8割が海外、新興国を攻略

高精細化や高性能化は、医療機器の開発競争の争点になっている。一方で、4Kや3Dといった新しい技術が搭載されても診療報酬上は評価されにくいのが現状だ。ジレンマを感じないか。

:厚生労働省の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)の部会では、費用対効果を考慮してどう診療報酬に反映させていくかが議論されている。その動きは当然見ている。

 ただ、当社の売上高の約8割が海外。日本国内の診療報酬のことばかり考えていても仕方がない。競争力を保つためには、今までの技術にあぐらをかくのではなく、付加価値があるものをどんどん作っていかなければならない。

2021年3月期に連結売上高1兆1000億円を目指す、5カ年の中期経営計画を進めている。一方で、初年度の17年3月期の売上高は前の期比7%減の7481億円と足踏みしている。現時点での進捗状況と手ごたえ、課題について教えてほしい。

:できているところと、できていないところがある。当社が考えていることと、外からどう見られているかの間に多少ギャップがあるとも感じている。社外の方は特に消化器内視鏡領域に関して、「成長が止まっているのではないか」と心配しているようだ。

 ただし、新興国では着実に伸びている。そういう意味では、(中計で掲げた先進国の成長鈍化に対する施策の1つである)新興国での成長はできている。今後は新製品の開発に向けて遅れのないようしっかり取り組んでいく。

 問題は外科領域にある。1つ誤算だったのは、15年10月に発売した、4K外科手術用内視鏡システムの売り上げが思っていたほど伸びていないこと。これは、SOMEDが手掛けた第1弾製品だった。

 ただし、先ほど話したように4Kシステムは他社にはない素晴らしい製品だ。競合他社の顧客にぶつけて製品の買い替えを促す、いわゆる「ドア・オープナー」として使おうというのが4Kの戦略だ。その観点では、売れた先の8割が競合他社の顧客だったので、目的は果たせている。一方で、もっと売れてもいいはずという気持ちはある。

 改めて振り返ってみると、当然、競合他社は顧客を取られまいと色々な方法で抵抗する。そのため進捗が遅いのはある程度は仕方ないと思う。さらに言えば、非常に高額なシステムのため、医療機関も導入に際して慎重になり、商談のクロージングまでの時間もかかっている。