スポティファイの仕組みは、慣れれば簡単だが、最初は理解するまで少々、時間がかかるかもしれない。4000万曲超から好みのアーティストや曲を見つけ、都度、再生する。あるいは、好みの曲を集めて自分なりのアルバムのように「プレイリスト」を作っておき、それを再生することも可能だが、それ以外の「道」もある。エクCEOの言うリコメンデーション機能だ。

スポティファイのスマートフォン向けアプリ。利用が進むにつれ、オススメのプレイリストが変化していく

 利用履歴に基づき、世界中のユーザーが作った20億超もあるプレイリストからオススメが表示されるほか、コンピューターがそれぞれのユーザーごとに自動生成するプレイリストもある。

 例えば「Discover Weekly」は、ユーザーの利用履歴を分析した結果、まだ聴いていないがきっとこれも好きだろうとAI(人工知能)が判断した楽曲を集めたプレイリスト。毎週月曜に更新され、世界で4000万人以上が楽しんでいるという。毎週金曜に更新される「Release Radar」は、最近リリースされた新譜に絞ったものだ。

 一般向けにサービスを開放するのはいつでしょうか?

エクCEO:もちろん、今年の年末前にはフルにサービスを開放したいと考えていますが、具体的な日付を言うことはできません。というのも、「クリティカルマス」に相当するユーザーが集まらなければ、リコメンデーション機能が十分な品質にならないからです。それがいつかは、分かりません。

 それだけでなく、リコメンデーション機能の質が高ければ高いほど、ユーザーの方々が我々のサービスをほかの人にも薦めてくれる傾向にあります。やはりクチコミというものが、私どもが行うマーケティングの中でも最もパワフル。こうした手法は、米国やブラジル、ドイツなど、すべての大規模な市場でも行い、成功を収めてきました。

「無料プラン」が有料への導線を確保

 すでに日本では「Apple Music」「AWA」「LINE MUSIC」といった定額制の音楽配信サービスが乱立しており、スポティファイは最後発になります。

エクCEO:我々は、例えば米国でもドイツでも、定額制音楽配信を提供した最初のプレーヤーだったわけではありません。世界の多くの有力市場で、すでに競合が先行する中で大きな成功を収めてきました。また、日本市場において、長きにわたり競合企業の動向を見てきました。彼らがやってきたこと、うまくいったこと、いかなかったことからの学びを生かせる、そういった強みもあります。

 加えて、我々のサービス自体に3つの強みがあると考えています。1つは先ほど話した質の高いリコメンデーション機能。この機能のためだけに、100名規模の専属スタッフが働いています。もう1つが、デバイスフリー。80社のメーカーが作る約450種類のデバイスに対応しており、社内のパソコンであれ、家庭のテレビであれ、モバイルであれ、どこでもサービスを楽しむことができます。

 もう1つは、やはりユニークな「無料モデル」の存在でしょう。