知事選とはいえ、参院選同様の与野党対決で敗れれば野党側が共闘の有効性を実感し、今後の国会運営や次期衆院選に影響を及ぼすと警戒していたからだ。

 手痛い敗北に、表向き自民幹部は「地域の課題が争点になる知事選と国政選挙は別物だ」と指摘。公明党の斉藤鉄夫選対委員長も「国政への影響はないと考える」と語ったが、政府・与党内で額面通りに受け止める向きは少ない。

野党共闘が加速へ

 永田町では来年1月の衆院解散・総選挙が取りざたされる。安倍首相本人は「勝てるタイミングを慎重に見極めて判断する」との意向を親しい関係者に示唆している。

 与党幹部は安倍内閣の高支持率や民進の新体制への期待が高まらない現状を踏まえ、「解散風」を盛んに吹かしてきた。

 だが、安倍首相に近い自民議員は「無党派層の関心を集めるテーマを軸に野党共闘が機能すると、こちらには脅威になることを再認識させられた」と分析。自民幹部は「TPP(環太平洋経済連携協定)の国会承認も知事選の争点になっていた。東北などでも反発が根強く、この臨時国会で強引な審議を進めれば、その直後の衆院解散は厳しくなる」と語り、安倍首相の解散戦略は慎重なものにならざるを得ないとみる。

 一方、野党各党は次期衆院選に向けた連携を一段と加速させる考えだ。

 「蓮舫さんは賭けに出て成功したね」。民進のベテラン議員はこう漏らす。

 2つの衆院補欠選挙は民進候補の情勢が厳しく、蓮舫氏の周辺では「新潟知事選と併せて3連敗なら蓮舫体制は一気に求心力を失いかねない」との危機感が広がっていた。

 周囲の反対を押し切ってまで新潟入りしたのは蓮舫氏の焦りの裏返しだったが、米山氏の逆転劇に関与でき、「選挙の顔」としての期待をつなぎ止めた格好だ。

 もっとも、蓮舫氏の行動で連合との関係にしこりが残ったほか、一貫性のない対応には民進内から批判の声も挙がっている。

 政権選択選挙となる次期衆院選に向け、党内の不満を抑えながらどのように国会審議で存在感を示し、野党共闘の実を上げていくのか。蓮舫体制の正念場は続く。

 新潟知事選の思わぬ惨敗ショックからの早期の立て直しを図るため、政府・与党は23日投開票の2補選の勝利へ万全を期す構えだ。

 「都知事選で民意が示された以上、東京と国が協力するのは当然のことだ」。安倍首相は東京10区補選の自民候補を応援するため、16日に小池百合子都知事とともに街頭演説を行い、小池氏との緊密な連携をアピールした。

 来年夏の東京都議選に向け新党の立ち上げ説がささやかれる小池氏。安倍首相にとっては、東京五輪・パラリンピックの計画見直しや豊洲市場問題に切り込む「小池劇場」の勢いに乗りつつ、当面は小池氏との良好な関係を前面に出すのが得策との思いがにじむ。

 与野党幹部、そして小池氏といったキーマン同士の損得勘定が交錯する中、永田町の「秋の陣」は一段とヒートアップしそうだ。