国政選挙並みの態勢を取りながらの敗北は、安倍政権にとって二重の意味で痛手となりそうだ。

原発再稼働への道筋が不透明に

 まずは、原発再稼働や国のエネルギー政策への影響だ。7月の鹿児島県知事選では九州電力川内原子力発電所の一時停止を公約に掲げた新人が現職を破っている。

 それに続く再稼働慎重派知事の誕生で柏崎刈羽原子力発電所6、7号機だけでなく、全国各地の原発再稼働の動きにブレーキが掛かるのは確実だ。

 「命と暮らしが守れない現状では認めることはできない」。当選後の会見で米山氏は柏崎刈羽原発の再稼働についてこう明言した。

 また、大幅な収支の改善が見込める同原発の再稼働が遅れれば、東京電力ホールディングスの経営再建に打撃となる。経済産業省では福島第1原発の事故処理にかかる追加コストをどのように負担するかについての検討を始めている。同原発が動かなければ東電の負担余力は限られるため今後のシナリオは描きにくい。  

 「今回の知事選の結果で、東電経営や、原発再稼働を柱に据えたエネルギー政策の前提が大幅に変わってしまった」。政府関係者はため息交じりにこう話す。

 安倍首相にとってより誤算なのが、野党共闘を勢いづかせてしまったことだ。

 新潟知事選に続き、衆院東京10区、福岡6区の両補欠選挙が23日に投開票を迎える。ただ、この2つの補選についてはいずれも自民系候補が優勢。安倍首相や二階氏ら自民執行部は8月の内閣改造・党役員人事後で初の大型選挙となる今回の新潟知事選をより重要視していた。