10月16日に投開票された新潟県知事選は野党が支援した候補が制した。東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に慎重な新知事の誕生を野党共闘で後押ししたことで、国のエネルギー政策や安倍晋三首相の政権運営、衆院解散戦略への影響は必至だ。
新潟県知事選で勝利し、万歳する米山隆一氏(中央)。10月16日夜、新潟市(写真:時事)

 任期満了に伴う新潟県知事選は10月16日投開票され、無所属で新人の米山隆一氏(共産、自由、社民推薦)が前長岡市長の森民夫氏(自民、公明推薦)らを破り、初当選を果たした。

 東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働が主要争点になったうえ、選挙戦の途中から実質的に与野党対決の構図となっていた。

 米山氏の勝利で原発再稼働への道筋が不透明になったことに加え、次期衆院選に向け野党共闘路線が再び加速する見通しとなり、安倍晋三政権にとって打撃となりそうだ。

当初は楽勝ムードだった森陣営

 今回の新潟知事選を巡っては、自民、公明両党は長岡市長で全国市長会長を務めた森氏を推薦した。柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な泉田裕彦知事が突然出馬を撤回したことで、森氏の陣営や自民内では無投票当選の見方も出るなど、当初は楽勝ムードが漂っていた。

 ところが、告示直前に衆院新潟5区で民進党公認内定者だった米山氏が無所属での出馬を決断。原発再稼働に慎重な泉田氏の路線継承を全面に掲げると、状況は一変した。

 実は、今年7月の参院選新潟選挙区では野党統一候補が自民候補に約2千票差で競り勝っている。

 民進党は今回の知事選で支持団体の連合が森氏の支持に回ったことなどから自主投票を選択したが、米山氏の陣営には次第に民進の国会議員も参加。最終盤には民進の蓮舫代表も急遽新潟入りし、街頭で米山氏への支持を訴えた。

 一方の与党側も自民の二階俊博幹事長など党幹部が相次いで応援に入り、組織戦を展開。安倍首相自ら新潟県連幹部に電話をかけたほか、今月13日に首相官邸で泉田氏と面会して泉田氏の支持層の取り込みを図るなどテコ入れを図ったが、流れは変わらなかった。