中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)が関西地区では初めてとなる研究所の新設を検討していることが明らかになった。背景にはいくつかの要因がある。

 1つは、同社が製品やサービスの品質維持・向上に日本企業の技術が不可欠と考えていることが挙げられる。

 同社は今年、日本から約60億ドル(約6700億円)相当の部品や原材料を調達する見込み。2017年の日本全体の対中輸出額は約1648億ドルだったから、今年も同規模の輸出額とすれば、4%弱が華為1社で占める計算になる。

華為のスマートフォンには多くの日本製部品が使われている(写真:AFP/アフロ)

 もう1つの要因は、米国が仕掛けた貿易戦争だ。日本企業との連携により、さらなるグローバル化を進め、中国企業であることを理由に華為を排除する米国に対抗する狙いが透ける。

 折りしも今月26日には安倍晋三首相が北京で中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談し、新技術や知的財産保護における新しい対話の枠組み作りで合意する見通しだ。日中の技術連携が深まる素地を生かす華為のしたたかさも浮かぶ。

 もっとも、日中関係は歴史認識を巡る溝がなかなか埋まらないのも事実。今は米中摩擦が激しいから、中国も日本に近づく構図だが、これとて米中関係が改善すればどうなるかは分からない。

 そうした国際情勢の波にかかわらず、日本企業と強固な関係を築き上げることができるか。華為の本気度が試されるのはこれからだ。

「詳細は2018年10月22日号の『日経ビジネス』『日経ビジネスDigital』で公開します」