ゼロ金利の導入、激しく進化するIT、デジタライゼーション、地政学リスクの高まり。予想外のスピード、形で変化が起きる中で、伝統的な商業銀行のビジネスモデルが構造不況化している。また、顧客ニーズも劇的に変化している。

 来年度早々に、個人と中堅中小企業、日系の大企業、非日系の大企業という3つに組織を再編する。MUFGのワンストップのサービスをグローバルに展開して、お客様にサービスをご提供していこうということだ。また、銀行と信託の法人貸し出しについては業務統合する。富裕層ビジネスについては銀行、信託、証券のトップタレントを1カ所に集約し、多様で専門的なニーズに対して、MUFGの総合的な金融サービスを提供していく。銀行名は来年4月1日に、三菱UFJ銀行に変更する。銀行以外のグループ会社は三菱UFJと名前が付いており、MUFGの一体運営を加速する。

9500人分の業務をシステム化できる

デジタル技術の進化が、金融ビジネスに大きく影響し始めている。どのような戦略を描いているのか。

三毛:支店に来る顧客の数は、この10年で4割ぐらい減った。ATM利用者は過去5年でほとんど変わっていない。モバイルは、若い顧客を中心としてこの5年で4割増えた。モバイルのチャネルの利便性、機能を磨き上げていくとともに、リアルの店舗のあり方も見直す。

 業務プロセス改革については、ロボット・プロセス・オートメーション(RPA)を使っていく。店舗の業務の半分ぐらいがシステム化できるだろう。全体の業務の3割程度、人数換算で9500人分に相当する業務をシステム化していきたい。

自前ですべてはやらず、フィンテック企業と協業

フィンテックなど付加価値を創造する分野については。

三毛:フィンテックは当初、(銀行にとって)破壊者といわれていた。一部の金融機能を切り出して特化することによって、銀行よりも安く効率的に便利に提供してきたからだ。ただ、その後のICT(情報通信技術)の進化で、銀行がこうした技術を逆に取り込むことが可能になった。

 我々は自分ですべてをやるよりも、フィンテック企業と協業していく。自分たちの仕様もオープンにして取り組んでいく必要があるということで、フィンテック企業を後押しするイベントも実施している。

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