トヨタ自動車とソフトバンクは10月4日、モビリティサービスの分野で提携し、新会社「MONET Technologies(モネ テクノロジーズ)」を共同で設立すると発表した。新会社はオンデマンド型の配車サービスや企業向けのシャトルサービスなどを手がける。2020年代半ばには、トヨタの次世代EV(電気自動車)「e-Palette(イーパレット)」を使った自動運転車によるモビリティサービスの実現を目指すという。

 トヨタとソフトバンクの連携は、乗り物のサービス化を意味する「MaaS(Mobility as a Service)」の分野で、「日本連合」が誕生したことを意味する。

 4日の記者会見で、トヨタの豊田章男社長は「なぜソフトバンクとトヨタが、という方も多いでしょう。(自動車業界は)100年に1度の大変革を迎えている。競争の相手もルールも大きく変化している」と述べ、「異業種タッグ」の狙いを新たな技術やビジネスモデルに対応するためと説明した。

協業を発表するトヨタ自動車の豊田章男社長(右)とソフトバンクの孫正義会長(10月4日、都内)

 ただ、MaaSを支えるクルマとITの融合は、世界を見渡せば、もっと速いスピードで進んでいる。

 例えば、中国。ネット通販大手のアリババ集団は、中国を代表する国有自動車大手、上海汽車集団とコネクテッドカー(つながるクルマ)の分野で提携。アリババが開発するOS(基本ソフト)を組み込んだクルマ作りを急いでいる。

 欧州でも独ダイムラーがモビリティサービスで稼ぐビジネスモデルへの転換を目指し、配車サービス企業などを相次ぎ買収。ITとの融合を加速する。

 こうした世界の潮流に対し、ソフトバンクの宮川潤一副社長は4日の会見で「危機を感じている。欧米や中国のハイテク企業の流れを見ていると、それぞれ単体でやっていくのは難しい。キャッチアップし、追い抜かすまでやりたい」と話した。

 世界で加速度的に進むクルマとITの融合。トヨタ・ソフトバンク連合は、周回遅れの日本勢が巻き返す強力な一手になるだろうか。