日の丸連合には全く固執しない

日本最大のIT(情報技術)家電見本市「CEATEC(シーテック)JAPAN 2016」。10月4日~7日まで幕張メッセで開催されている
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経済産業省の幹部が外資系メディアの取材で、ジャパンディスプレイ(JDI)株を外資に売却することに対して否定的ではない考え方を示しました。シャープとJDI連合構想の動きから「日の丸連合」に固執している印象の強かった経産省ですが、風向きは変わっているのでしょうか。

長尾:私は既に経産省を離れている人間なので現在の動きは分かりませんが、私自身も日の丸連合には全く固執しない考えです。日本の底力はそれなりに立派ですし、維持しないとダメだとは思いますが、日の丸企業に頼ってずっとやっていけばいいかと言うと、決してそうではない。既に申し上げた通り、海外企業と積極的に組んでいくことが重要だと思います(関連記事:新生シーテック「最終製品見せても意味がない」)。

官民共同出資の投資ファンド、産業革新機構の役割についてはどう見ていますか。

長尾:私は、そもそも政府は産業革新機構のような投資ファンドをやってはいけないと思っています。救済ファンドならギリギリいいとしても、投資ファンドと言うのなら勝つために徹底的に(お金を)つぎ込まなきゃいけない。相手を負かすまで投資し続ける必要があるのです。

 一方、産業革新機構は税金を元手にしている限り、こうした判断はなかなかできないんですよ。シャープの一連の動きでそれが露呈しました。例えばソフトバンクの孫正義社長が英アームを3兆円で買収しましたが、ああした判断は税金を使う限り絶対にできません。産業革新機構と言う存在自体、もともと矛盾なんだと思っています。さらに「日の丸連合」に固執していれば、本来の経済的合理性からどんどん離れていってしまう気がしますね。