(写真:永川 智子)
(写真:永川 智子)

 一般に考えれば、これだけ人材と組織に投資したのだから、成長がさらに加速してもおかしくないはずです。

 ところが、実際には我々の予想とは裏腹に、思うような結果を生んでいないことが明らかになりました。組織の拡大が成長の加速ではなく、成長の阻害要因になっていたのです。

「組織がとても複雑になっていた」

どういうことですか。

クヌッドストープ:急激に人を増やした結果、組織がとても複雑になりました。似た機能を果たす部門やポジションが乱立し、意思疎通が滞ったり、意思決定に遅れが出る事態が生じたりしたのです。

 リサーチ、製品開発、マーケティングなどのチェックプロセスが従来に比べて増えていました。その結果、ニーズを拾い上げて製品を投入するタイミングが遅れるようになった。

 組織の階層も増え、経営幹部と顧客である子供たちとの間の距離が離れてしまいました。子供たちの声が幹部に届きにくくなっていたのです。重複する役割や部門は、コスト増の要因にもなっていました。

 これらの問題はまだ深刻なレベルのものではありません。しかし、放置すれば、競争力が落ち、やがて衰退やブランド力の下落につながります。それは避けなければなりません。今回の減収減益は、こうした状況が積み重なった結果によるものです。我々はこれを警告だと受け止めました。

 我々はややアクセルを踏みすぎて、レーンから外れてしまいました。ここでいったん立ち止まり、リセットボタンを押して軌道修正をする段階に来たのだと考えています。

具体的にはどのような手を打つのですか。

クヌッドストープ:すべきことははっきりしています。組織を再び小さく、シンプルにすることです。

 まず、組織の階層を減らします。マネジメントチームが子供たちのニーズを把握しやすくし、最適なタイミングで意思決定できるよう見直します。重複する部門やポジションを削減し、不要なコストを減らす取り組みも加速させます。

 この結果、残念ながら年末までに1400人の人員を縮小せざるを得ません。本社のあるデンマークのビルンでは500~600のポジションが削減対象になる。このほか、世界各地の拠点でも実施していきます。

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