日本最大のIT(情報技術)家電見本市「CEATEC(シーテック)JAPAN 2016」が10月4日に開幕した。17回目となる今年は、「つながる社会、共創する未来」をテーマに大きく中身を転換。Internet of Things(モノのインターネット、IoT)を中心とした「テクノロジーショーケース」として、展示方法やキーノートセッションを展開する。日本の電機業界の競争力低下が叫ばれる中、CEATEC刷新の狙いと、現在の日本企業の課題などを電子情報技術産業協会(JEITA)の長尾尚人専務理事に聞いた。

シーテックはここ数年、来場者や大企業の出展が減少し、国際家電見本市としての存在感が薄れていると指摘されています。今回の新生シーテックでは、何をどのように変えたのか、またその狙いについて教えてください。

長尾:コンセプトから見せ方まで、これまでのシーテックと180度変えました。多くの企業が認識していますが、今、産業構造の全体が大きく変わっています。高機能かもしれないが、単体の製品が生活を豊かにしていた時代は過ぎ、様々な製品をいかにつなげて生活を豊かにするか。企業にとっての成長を考えると、ここをしっかり押さえ、製品とサービスを提供できることが必要になってきます。

 これまで通り、最終的な製品やサービスをただ見せるだけではなんの意味もありません。色々なモノがつながり、それを支える技術、政策を見せて、世界をリードするトレンドをシーテックから発信していきたいと思っています。

長尾尚人(ながお・ひさと)氏
電子情報技術産業協会(JEITA)専務理事。1980年通商産業省入省、2001年経済産業省資源エネルギー庁、2005年内閣府参事官、2009年日本政策投資銀行常務執行役員、2014年から現職。

長尾:展示会場は先端技術の活用シーンごとに「社会エリア」「街エリア」「家エリア」「CPS/IoTを支えるテクノロジー・ソフトウエア」に分けました。IoTがどのように生活空間を変えるのかを体感できる構成にしてあります。

 また、ICT(情報通信技術)のほかにAI(人工知能)やロボティクス、ディープラーニング(深層学習)、サイバーセキュリティーなどの最新動向を同時に見せるセッションも作ります。これまでと大きく異なるのは、政策や国同士、特に日本がドイツ、米国などとどう連携していくべきなのか、という姿勢も見せていきます。

 多くの日本企業は過去の成功体験にしがみつく傾向が強いので、変わろうと思っていてもなかなか変えられません。サポートする技術や国の政策はあるので、企業はもっと思い切って変わっていきなさいと、尻を叩くような狙いもあります。