準大手の太陽監査法人と優成監査法人が来年7月、合併する。太陽は巨額損失の会計処理で今年4月、東芝とPwCあらた監査法人が厳しく対立した際、東芝がPwCあらた監査法人の後任にしようとしたが、規模の面で断念。合併で再びその可能性が高まる。

関係者によると、太陽と優成は10月3日、基本合意書を交わし、正式に合併を決める。存続法人は太陽で法人名も太陽監査法人のまま。総括代表には山田茂善・総括代表社員が就く。
合併で新生太陽の監査部門売上高は約74億6000万円(2015年度決算ベース。優成との単純合算)になるが、業界での順位は5位のまま変わらない。4位のPwCあらた(約174億9000万円)に近づくものの、その差はなお大きい。
順位 | 監査法人 | 売上高 |
---|---|---|
1位 | 新日本 | 805.6億円(2017年6月期) |
2位 | あずさ | 698.7億円(2016年6月期) |
3位 | トーマツ | 524.0億円(2017年5月期) |
4位 | PwCあらた | 174.9億円(2016年6月期) |
5位 | 太陽 | 55.8億円(2016年6月期) |
6位 | 東陽 | 37.6億円(2016年6月期) |
7位 | PwC京都 | 34.8億円(2016年6月期) |
8位 | 仰星 | 21.1億円(2017年6月期) |
9位 | 三優 | 20.7億円(2016年6月期) |
10位 | 優成 | 18.8億円(2016年3月期) |
注:監査法人トーマツの2017年5月期は決算期変更のため8か月決算
出所:日本公認会計士協会の資料を基に本誌作成
しかし、この合併はそれ以上の意味を持つ。監査法人業界は大手4社が社数で上場企業の73%、時価総額ベースで91%の監査を受け持つ寡占状態が長く続いてきた。大企業の監査は、大手が長期間継続し、たまに動いても大手間での移動がほとんどだった。
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