12月メドに社内調査終える

どのように社内調査を進めるのか。

 「8月に調査委員会を立ち上げてから1カ月経過している。期間は12月までの3カ月。経営企画局や法務マネジメント局の幹部のほか、外部有識者ということで弁護士、電通の監査をしていない会計監査法人からも人員を招いている。現時点ではこのチームで進める予定で、第三者委員会の設置は考えていない」

調査の結果、補償額が広がる可能性もあるのか。

 「対象が20万件と一律にいっても、右から順番にやっていくという方法ではなく、緊急度の高そうなものから調査している。だから、8月の調査開始から1カ月で判明したのが約2億3000万円といっても、単純にこれから3倍になると算数できるものではない」

緊急度が高い、というのはどういうことか。

 「要因はいくつかある。データから見受けられる傾向もあるし、物理的に急激に仕事が増えているチームや広告主を調べたほうが良さそう、というところからあたっている」

どんな再発防止策を考えているか。

 「まずは調査を徹底し、根源的な原因を究明するのが第一。ただ、すでに手を打った、あるいは打ちつつある改善点もある。ひとつわかっているのは(こうした不適切業務を)未然に防ぐ機能が不十分だったこと。そのことは調査の最後を待たずとも明らか。そこで、掲載のズレなどのミスを独立性の高い部署に確認してもらうようにする。また、広告主から受けている仕事に対して、社員の質・量が足りなかったのも事実。どの程度、どう足りないかは調査が必要だが、少なくとも足りていたとは言えない。社内でこの仕事に従事していないエキスパートを探し、緊急であてがう準備をしている」

悪意があったかどうかについて、質問と回答が噛み合わない場面も(9月23日、東京証券取引所)

業績への影響は。

 「本件によって、広告主から出稿がなくなるようなことは現時点では生じていない。約2億3000万円については、これから監査法人とも相談するが、一番早ければ第3四半期決算には計上する。ただ、この額であれば特損というかたちにはひとまずならない。今後の調査の進捗によって対象額がどれだけ膨らむかということはあるが、過去の財務報告の修正も現時点では考えていない」

今回の事態により、デジタル化の速度を緩める考えはあるか。

 「デジタル分野の強化は、なにも電通だけが強化したいわけではなく、広告主のニーズに応えているということ。もちろんこういうことは2度とあってはいけないので、いままでの仕事のやりかたを見直し、再発防止策を講じたうえで、デジタル領域の仕事は今後も強化していく」