デジタル広告の現場、恒常的に人手不足

なぜ、このような不適切業務が行われたのか。

 「ごまかしたとか、不適切行為をしたことの動機は、社内調査の最大のポイントになる。上司に怒られるのが嫌だったとか、逆にプラスの評価を得たかったのかもしれない。主原因はわかっていない。(調査の結果として)現場へのプレッシャーも含めて、マネジメントがもうちょっと配慮するべきだったということも、そういう意味では経営に責任がある」

 「運用型デジタル広告は、クライアントからのニーズが増えているジャンル。現場は恒常的に人手が不足している。ただ、それをできないとか、時間がないとか、あるいは自分の力がないと言いにくいというような状況があったということは、現時点では(要因の)ひとつの例としてだが、わかっている。これが根本原因かについては、調査の報告を待ちたい」

デジタル広告の需要は、どれだけ増えているのか。

 「デジタル広告には、指定した期間、指定したスペースに対しての掲載を保証する『予約型広告』と、広告の露出やクリック数、動画の視聴完了など様々な基準に基づいて対価を請求する『運用型広告』がある。デジタル広告の領域全体では、売り上げや売上総利益は前年比で2ケタ成長しているが、なかでも2010年ごろから『運用型デジタル広告』の比率が高まってきた。今回問題が起きたのは『運用型』で、正確な数値は後ほど報告するが、すでに(デジタル広告の)過半を超えている」

運用型広告が増えている理由は。

 「クライアントの究極の目的が広告の露出ではなく、販売額の向上やブランドイメージの好転といった成果にあるからだ。運用型のほうが成果にコミットできる」

冒頭で運用型デジタル広告はミスが生じやすい業務領域と説明があったが、どういうことか。

 「運用型デジタル広告は、従来のマスメディアの広告とは違う。従来は単純に掲載期間と掲載スペースを指定し、発注し、それが媒体社から受け付けられた、というところでほぼ作業が終わっていた。『運用型』は日々、運用の結果を見ながら、(掲載などを)再調整して、その結果をもってまた広告主と協議する。作業が非常に複雑で高度になるのでミスを招きやすい」