冒頭説明の後、デジタル広告事業の概要についての説明を経て、記者会見は質疑応答に移った。

未掲載で請求したのは320万円

具体的にはどんな不正があったのか。

 「いくつかの事例でいうと、たとえば広告主から『1カ月のあいだ、予算100万円で運用してほしい』と発注・依頼があったとする。広告の入札が予想以上に順調に進みすぎ、その結果、1カ月を満たさずに、予算を使い切ってしまう場合がある。このとき、配信が途中で終わったと報告せずに、1日~30日まで配信されていましたと報告するようなケース。逆に、たとえば入札が順調に進まず、キャンペーン当初の3日間、広告がまったく配信されていなかった。その後、運用方針を変えて結果的に月内の課題は達成したのだけれども、当初3日間に配信されていなかったものを、1日目から配信されていたという形で報告していた、など(のケースもある)」

 「バナー広告から検索連動型広告やソーシャル広告、それから最近増えている動画広告など(種類を問わず)不適切業務があった。疑義のある633件に関わったのは電通とグループ会社の100〜120名。このうち故意に不適切業務を働いた人数がどれだけかについては調査中であり、把握していない」

過大請求はいくらあったのか。

 「言葉遣いの問題かと思うが、いわゆる未掲載にもかかわらず請求したのは320万円。期間のズレを報告していないなど、実際の掲載結果とは違う報告をして請求しているのが、未掲載のものも含めて約2億3000万円だ」

トヨタ指摘で発覚、社内調査で他社へ波及

発覚の経緯は。

 「まず広告主から問い合わせがあり、社内調査を始めた。その内容を調べる過程で、これは問い合わせがあった広告主に偶発的に起きたものではないかもしれないという可能性が出てきた」

広告主は、何をおかしいと思ったのか。

 「個別のクライアントの話なので、具体的なことは(話せない)」

クライアント名ではなく、何がおかしかったのか聞きたい。

 「7月に発覚したということは、おそらく6〜7月の出稿についてと想定されるが『掲載されるはずの期間に掲載されていないのでは』という種類の指摘があった。掲載による期待値に比べ(掲載による)効果が一向にあがっていない。このため正しく期待通りの露出が行われていますかという疑義が出た」

トヨタ自動車が最初に指摘した広告主か。

 「クライアントの名前を聞かれるとなかなか回答しにくいが、できる限りトヨタの指摘で発覚したと書いてほしくないが、トヨタからの指摘がたしかに最初」