モノづくり革新の仲間外れだったミニバン

CX-8は日本の大型SUV市場のカンフル剤になるか

 マツダのミニバンの販売台数からその答えは見えてくる。プレマシー、ビアンテの年間販売台数はそれぞれ、1万1000台と4200台。直近のピークの6分の1~3分の1にまで落ち込んでいる。プレマシーは10年以降、ビアンテは08年以降新型車を投入していないので、競争力がなくなるのは当然のことだ。マツダは長期間、ミニバンの撤退時期を見極めようとしてきたのだ。

 「ミニバンのような他社と同じ土俵に乗っていたら、マツダの生産規模では生き残れない」(ブランド推進部の高場武一郎主幹)。1000万台規模の販売台数を誇るグループが誕生する中、トヨタ自動車との資本提携を決めたとはいえ150万台規模にとどまるマツダが生き残りを図るには、独自のブランドを確立するしかない。中国などの成長市場で人気の高いSUVに注力するのはその一端だ。

 ブランド戦略だけではなく、大きな効果が生産現場でも期待できる。マツダは06年以降、生産効率を高める「モノ造り革新」に取り組んできた。その柱が、5〜10年後のモデル構成を想定して同時並行で商品企画に取り組む「一括企画」だ。

 他メーカーと同じように部品を共通化するだけに止まらず、生産器具も共通化してサイズが違う車種でも1本のラインで生産できるようにした。設備投資を抑えるだけでなく、人気の車種を空いているラインで追加生産できる。受注順にラインに流すので、余計な在庫を抱えることもない。しかし、プレマシーなどミニバンは、スライドドアなど仕様が大きく異なるため、一括企画の枠組みに入っておらず、生産効率を下げていたのだ。