スクウェア・エニックスは、人気シリーズの「ファイナルファンタジー」や「トゥームレイダー」といったタイトルをPS VRに対応させることを発表している。一方、ゲーム以外へVRを応用する挑戦にも取り組んでいる。

 スクウェア・エニックスのブースで「プロジェクト Hikari」のデモを体験した。台湾HTCのVR装置「Vive(ヴァイヴ)」を装着すると、眼前に広がるのは白黒のマンガの世界。現実世界でマンガを読むように、見開きになったコマを目で追っていくというもので、解像度もPS VRで体験したタイトルに比べ、かなり粗く感じる。

「プロジェクトHikari」のデモの一部。スクウェア・エニックスが発行する「月刊ビッグガンガン」に連載中の「結婚指輪物語」を利用した

 しかし、それぞれのコマは、ちゃんと立体処理が施されており、吹き出しも飛び出ている。かつ、吹き出しのセリフを声優が読み上げてくれる。加えて、一部のコマではキャラクターが動き出す。コマは手元のコントローラーで自在に拡大したり、左右上下に動かしたりできる。マンガとアニメーションの中間とも言える世界では、マンガともアニメとも違う、これまで味わったことのない没入感を得られ、斬新だった。

 映像としてのリアリティは欠けるのだが、そこがポイントだ。マンガを読む延長線上にちょっとした表現の付加をすることで、まったく新しい楽しみ方が生まれる。必ずしもリアリティーの追求だけがVRの道ではない、ということを気付かされた気がした。

「他の国がマネできない表現を見せたかった」

プロジェクトHikariを率いるスクウェア・エニックス テクノロジー推進部の曹家栄氏

 このプロジェクトを率いるのは、テクノロジー推進部の曹家栄氏。曹氏は台湾出身で、「日本が海外に誇るマンガというコンテンツの可能性を追求するべき」と話す。「日本企業として他の国がマネできないマンガの表現を見せたかった」。

 今年は「VR元年」。それでも東京ゲームショウにはバラエティー豊かなタイトル、試遊がそろい、あらゆる可能性を見せつけていた。VRは、どこまで進化するのか。仮想世界から帰ってこられないプレイヤーが続出するのではないかと危惧するほどだ。東京ゲームショウは、17日~18日まで一般公開されている。